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PR的視点から見た、三省堂がプロ野球球団仕様『国語辞典』を出版する理由 2019/11/19

2019年プロ野球開幕直前に三省堂が『国語辞典広島東洋カープ仕様』を出版しました。実は、2018年には阪神タイガース仕様の国語辞典も出版しています。

『国語辞典広島東洋カープ仕様』は3000円(税別)と、辞書としてはごく一般的な値段で、内容的には球団仕様ではない一般的な国語辞典の機能は満たしたものです。ただし、用例に、カープファンにしか通じない解説が多数含まれています。

たとえば、「鯉」という項目には魚の一種であることのほか、「広島東洋カープのこと」という記載があります。「球場」という項目には野球場という説明以外に「由宇→カープ二軍の本拠地」という説明がつきます。

一見パロディのようですが、前述のとおりカープに関する記載以外は従来より販売中の国語辞書とまったく同じで、正真正銘の国語辞典なのです。

そして、この辞書はカープ仕様がすでに約2万部、2018年発売のタイガース仕様は約1年で4万部と、数年かけて1万部に達すればヒットとすら言われる国語辞典にして異例のセールスを記録しています。

三省堂と言えば辞書の名門。とはいえ出版不況の昨今、「いかにして辞書に親しむ人を増やすか、話題にしてもらうか」考えた末の策だったとのこと。

発売が毎年春で、開幕シーズンとも言えますがカープファンのおじいちゃんが孫の入学祝に購入する需要が多かったそうで、幼少期にカープとともに出会った国語辞典=三省堂という図式で長く愛してもらおうという意図を感じます。

これ、キティちゃんの観光地仕様のストラップと同様に、「まずは身近なものへの愛」にすり寄ったPR作戦とも受け取れます。

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