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地方PRに絶対必要なものは“地元愛”

PRの仕事は、首都圏の企業からばかり舞い込むわけではありません。

ここ数年、私たちが担当している大手ホテルグループが次々と全国各地に開業し、続けざまに地方PRを担当しました。手前みそですが、どれもかなりの成功を納めることができたので、この経験を踏まえて、ローカルメディアの攻め方についてまとめてみたいと思います。

基本中の基本ですが、まずは各地域に強く根付くローカルメディアを押さえます。首都圏以外では在京キー局や朝日・読売・日経・毎日といった全国紙の名前は知られていても、実際に視聴・購読されているのは各地のローカル局や地方新聞が圧倒的なのです。

プレスリリースを作成し、メディアアプローチをするといった手順は「地方PRだからココが違う」という点はありません。ただし、PRのストーリーを立てる際に大事なことは、ズバリ、“地元愛”です!

 

①その地域ならではの、インパクトのあるキャッチフレーズを考える

PRの内容が、まずは対象となる地域にどのような意味をもつのか、よく考えます。私たちが担当したホテルグループの知名度は非常に高く、どこへ行っても知られた名前です。逆に、全国的には「あ、また開業するんですね」で終わってしまう可能性がありました。しかし開業するご当地にとっては、そこまで巨大なホテルグループが初進出するのですから大ニュースです。経済効果、話題、さまざまな面で期待が高まります。

この部分をフィーチャーしたプレスリリースを作成しました。

また、開業地自体が経済面、観光面でどのような状況にあるのかも報道分析などで見極めます。

私たちが担当したホテルの建設予定地周辺は駅の大規模なリニューアル等により「新規ホテル開業ラッシュ」はいく度となく謳われてきた場所でした。そこで敢えて「第二次ホテル開業ラッシュ」を掲げ、メディアリレーション時には改めて地域振興を煽りました。

 

②ご当地ならではのビジュアル映えする企画を用意する

テレビはもちろんその他のメディアも、“映える”画像のある話題を常に求めています。ホテル開業にあたり、進出する地域の名産を前面に押し出したサービスを呼び物にしました。金沢なら金箔、京都ならば舞妓さん、秋田なら大曲の花火等々、各地に一目見ただけで場所を連想できるキーワードがあるはずです。ご当地ならではの伝統芸能の組合や郷土振興会といった団体に協力を得ることが難しい場合は、地元出身のアーティストとのコラボレーション、地方独特の演舞の愛好者によるおもてなし等、地元の人々が参画している気分になるような、地元愛をそそるような企画を強調し、ビジュアル付きで持ち込みましょう。

 

③扱いの角度を、より高くするなら上層部にも挨拶

メディアリレーション時に担当者とのコミュニケーションがうまくいったら、「上司の方にも挨拶したい」とお願いしてみます。

地方メディアは大所帯ではないだけに風通しがよく、それなりの立場の人はさまざまな部署に影響力をもっていることが多いのです。特にテレビ局の場合、報道局と制作部の両方にメディアアプローチするのは必須ですが、この両方の部署を同じ人物が統括していることも少なくありません。報道と制作の連携が良い局であれば、企画書はいろいろな展開を見せる可能性がありますから、打合せにはぜひ上司の同席を依頼しましょう。

ことにNHKの場合は全国にある支社が取材した素材(映像)は、東京のセンター局にも届き、内容次第では支社局だけではなくセンター局から全国へ放送されることになるのです。民放も同様に、提携するキー局の全国放送のニュース番組に地域の話題として取り上げてもらえる可能性があります。

 

以上、いつもの全国制覇型PRとは配慮すべき点がやや異なる地方PRですが、担当地域の良さをよく調べて、現地に到着したら自分も地元出身者になった気分でメディアアプローチしてください。

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