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【2021年版】メディアが取材したくなるオンライン記者会見のコツ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で記者会見や発表会は「オンライン」が主流となってきました。当初は抵抗があった層も、今となっては「当たり前」の感覚になりつつあります。
めでたくコロナ禍が収束したとしても、「オンライン記者会見」は対面の会見に勝るとも劣らないことを広報担当者もメディアもすでに実感し、継続して運用され続けるでしょう。
アフターコロナ禍の記者会見や発表会のあり方も踏まえ、改めて「オンライン記者会見」について見直してみました。

1)オンライン記者会見のメリット・デメリット

当初は、三密回避のために仕方なく運用していた企業もあったオンライン記者会見ですが、メディアともども慣れてしまえば「便利」だと、コロナ禍後も適宜活用したいと考えている企業が多いようです。

メリット
・場所を確保せずに運用できるので、発表したいことができたら短時間で実行できる。
・受付や運営時のスタッフを削減できる。
・メディア参加者のスケジュールを調整しやすく、取材誘致の成果を上げやすい。
・発表者と取材者の場所を問わない。
・リアルに会場にいるわけではないため、ツールの工夫次第で臨場では体験できないような仕掛けを施すこともできる。

デメリット
・臨場感に欠け、新製品発表など物理的に実物を見たりさわったりできない。
・撮影がしづらい。
・質問がしづらい。
・テレビ取材を誘致しづらい。タレントを使ったり会場美術に工夫を凝らす等、派手な演出をしても、オンライン中継の画面越しでテレビカメラを活かすことはできない。そこで、取材をオンラインだけでなく一部「生」で撮影をしてもらう「ハイブリッド」対応とするケースが増えている。
・偶然得る情報がない……メディア参加者は、記者会見会場で偶然出会った発表側の関係者や同業者等との予定のない雑談等で思わぬ情報を得ることもあるが、オンラインではそういった機会は期待できない。
・利用するネットワークやツールの障害によって、トラブルが起こる可能性がある。

以上が「オンライン記者会見」の主な特徴です。これらを踏まえて上手に運用していくことがたいせつです。

2)オンライン記者会見の流れ

オンライン記者会見は、基本的に以下のような流れで運用されます。

① 企業がプレゼンテーションや説明の模様を動画(ライブまたは事前に撮影した動画、もしくはその併用)で配信。配信には双方向性のあるオンラインツールが必要。
② 質疑応答は、主にチャットで質問を受け付ける(ここで配信を一旦停止する場合あり)。
③ (配信を再開し、)登壇者や広報担当者が質問に回答する。

事前に申し込みをしたメディア関係者のみに参加用URLが送られ、開始約5~10分前に接続して参加するパターンが一般的。通常の記者会見と同様、司会者の挨拶から始まり、担当者による説明が行われます。説明時には、画面に説明用資料が大きく映し出される場合や、資料と登壇者が交互に映し出される場合など様々で、それぞれキャプチャーを撮って記事用の写真素材にすることも可能です。
YouTubeで一般視聴者にも公開し、質問もメディアのみならず一般視聴者からも受け付けるといった、オンラインならではの手法もいろいろ活用されています。

3)オンライン記者会見で用いられるツール例

「オンライン打ち合わせ」や「オンライン記者会見」が当たり前になりつつあり、オンラインで利用するコミュニケーションツールが続々と登場しています。開催予定の記者会見に必要な機能(質疑応答や会見中に資料差し込みの機能等)が装備されているツールの中から、最も普及しているツールを選ぶことが無難です。多種多様な環境で仕事をしているメディア関係者に、オンライン型の記者会見であっても自然体で参加してもらいたいなら、ツール選びに関しては高機能性以上に普及率は大事なポイントです。
現状でよく使われている代表的ツールを紹介しておきます。

Zoom:
PCやスマートフォンを利用して手軽に複数人数で打ち合わせができる。1ライセンス2700円(月間)で最大500名が画面越しながら一堂に会してやりとりできる。100名時間制限有なら無償での使用も可能。コロナ禍突入後の2年間で急速に
認知を拡大し、チャットや録画機能等手軽にオンライン記者会見できる機能を備えている。

YouTube:
最も馴染みのある動画配信サービスとして広範囲に親しまれているツール。視聴だけなら登録なしでもできるため、不特定多数相手の配信には効果的。一部の参加者を登録制にして質疑応答もできるようにすることも可能で、メディア関係者とその他の人々に異なる条件で参加してもらうこともできる。

Microsoft Teams:
マイクロソフトがコロナ禍をきっかけに、大攻勢をかけて急激に普及しつつあるツール。Office 365を使っている企業なら、追加費用なしでオンライン記者会見に必要な機能を利用可能。一部機能に制限はあるものの、MacやLinux等Windows以外のデバイスでも使用に問題なし。

上記3つ以外にも、WebexやGoogle Hangouts Meet、コクリポ、GoToMeeting、SmartSTREAM、Slackなど続々とオンライン記者会見に便利なツールが登場しています。機能の特徴や開催時期を考慮のうえ、ツール選びは検討したいものです。

4)対面との最大の違いは、質疑応答への対応と実物の試用

オンライン記者会見の進行上、対面で行う従来の会見と一番異なる点は質疑応答でしょう。
対面式会見なら質問者が挙手して指名され、その場でQ&Aが繰り返されていきます。しかし、オンライン会見の場合は挙手の代わりにチャットボックスに書き込まれた質問を一旦預かり、少し時間を置いてまとめて応答するパターンが一般的です。ライブ配信にも関わらず従来の記者会見の“臨場感”が損なわれてしまいます。
オンラインでメディアが質問して企業側がその場で答えるケースも増えていますが、質問が殺到すると混乱を招きがちです。
新製品の発表に関しては、会見開催と同時期にサンプルを送付したり後日人数を制限して分割式で製品体験会を行うことで臨場感の喪失を回避できます。

5)その他PR側がやるべき「オンライン会見」ならではの工夫

① 音声チェック
オンライン記者会見開催前に、きちんと音声が届いているか、参加者(メディア)側に確認する必要があります。会見開始10分前から音楽を流す、開始前に数回に分けてメディアブリーフィングを実施するなど、音声チェックの機会を提供します。

・資料の事前配布
対面式の記者会見と同様に、オンライン記者会見でも、会見時に説明する報道資料は共有します。おおよそ会見開始1時間前~遅くても10分前までには、参加メディアにプレスリリースやプレゼンテーション資料をメールで配布します。そのメールに参加URLを再掲すれば、メディア側が改めて参加URLの記載されたメールを探す手間を省くこともできます。

② 写真素材の提供
オンライン記者会見では、現場の撮影ができないことがメディア側にとって非常に大きなデメリットです。会見中の画面のキャプチャーは可能ですが、登壇者の息づかいが伝わるようなリアルな写真を撮ることは難しいでしょう。そのため、主催者側で会見に参加した担当者の写真や会場全体を押さえた写真を撮影し、参加したメディア関係者用に、会見終了後から一定期間アクセス可能なダウンロードサイトを用意する必要があります。そういった意味では、対面式の会見時と同様に、プロのカメラマンの手配は必須です。また、各メディアの掲載写真が被らないよう、できるだけたくさんの種類の写真を用意してあげると親切です。

③ 見逃し配信
参加が確認された記者に対して、会見後に録画データや音声データを提供する仕組みが必要です。参加している環境によって途中で通信回線が切れてしまったり、記者会見の開催が重なり途中退室せざるをえなかったりということも十分に考えられるからです。会見後、一定期間視聴が可能な「見逃し配信」の用意はマストと考えましょう。

6)新型コロナウイルス収束後の「記者発表会」

新型コロナウイルスの感染拡大が収束したとしても、ワクチンや治療薬が開発されていなければ、当面「3密」に該当するイベントの自粛が求められることは容易に想像がつきます。自粛が求められているとはいえ、プレスリリース配信のみで終わらせてしまっては機会損失を招きかねません。リリースだけでは、どうしても伝わらないことが多々あります。企業は機会損失を防ぐためにも、オンライン記者会見という「場」を設け、メディアとコミュニケーションをとることが非常に重要です。

少人数でのイベントの開催が解禁された折りには、オンライン記者会見とリアルイベントを組み合わせた「ハイブリッド開催」がおすすめです。
例えば、新製品発表会、ホテルや商業施設などの開業前内覧会、新サービス体験会など、製品や施設自体を見てもらったり実際にサービスを体験してもらったりしないと記事が書けないケースはたくさんあります。あるいは、オンライン記者会見では質問が出にくいこともあり、活発な質疑応答のために専用の会場を設けるのもよいでしょう。数回にセッションを分けて行うという対策をとることで、少人数でのリアルイベント開催は十分に可能です。

対面型イベントを自粛せざるを得ないからといって、発表会自体を諦めてプレスリリースのみでメディアへ告知すれば、伝達力は弱くなります。メディア(記者)は、取材をして初めてテレビや誌面、Webのコンテンツ化に取り組むもの。オンライン記者会見も、この機会に準備に取り掛かることをお勧めします。

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