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記者発表会場

成功する、記者発表会

記者発表会とは、新製品・サービス、新たなプロジェクトやキャンペーンの開始等に際し、メディアの方々に一堂に集まっていただいてお知らせするイベントのことです。
企業担当者と取材者が触れ合える、貴重な場です。

プレスリリース配信に比べて発表会の企画・運用は手間も費用もかかりますが、やり方次第で莫大な成果を得ることができます。

なお、コロナ禍以降“三密回避”のために、オンラインでの記者発表会開催が増えていますが、ここでは「対面」による発表会に絞ってその運用方法やコツについて説明していきます。

※オンライン記者会見に関する情報はこちら。
https://mops-pr.net/prkyoukasyo/onlinekaiken/

1.記者発表会は開催目的とターゲットによってやり方が違う

1.記者発表会は開催目的とターゲットによってやり方が違うのイメージ
メディアの方々を集めて情報を発信すると言っても、どのようなメディアに取り上げてもらいたいのか、注目を集めて話題にしたいのか、情報の詳細をじっくりと説明して社会に理解を得たいのかなど、記者発表会の開催目的はさまざまです。
最終的に情報を届けたい相手に関しても、企業なのか個人なのか、年齢層や性別、在住地域など、発表する内容や目的によって変わってくるでしょう。

まずは、自社の記者発表会の目的、ターゲットメディアを見定めてください。そのうえで、どのようなやり方が適しているのか、検討します。

2.目的とターゲットに応じた、記者発表会の種類・パターン

2.目的とターゲットに応じた、記者発表会の種類・パターンのイメージ

記者発表会の目的別施策

目的によってターゲットとなるメディアは異なってきます。
記者発表会の目的(発表する情報の内容)と露出されるべき(露出したい)メディアを明確に想定し、施策をプランニングしていきます。

ただし目的は異なっていても、発表会における基本的な情報は主催する企業(団体)が発信することを前提とし、発表内容がよく理解できるような資料をプロジェクターや映像、新商品発表の場合には実物を使って臨場感のある見せ方を工夫します。
発表する側の登壇者は、内容にもよりますが企業のトップ、あるいはそれに準ずる責任者+広報・宣伝部+必要に応じて現場担当者が務めます。

1)新サービス・新製品発表(消費者向け)
発表内容をよく理解してもらうことが何より重要ですから、開会の挨拶後、資料をプロジェクターや映像を利用して紹介するセッションで幕を開けます。

ただ、消費者向けの発表内容の場合、テレビの情報番組や人気Webニュース、週刊誌やトレンド情報誌での露出は必ず確保したいところ。
そうなると、タレントを呼んで花を添えてもらい、タレント目当てのテレビ取材を誘因するのも効果的です。
最初に何を発表するのかはしっかり印象づけてから華やかな演出に切り替えて、商品+タレントといったフォトセッションを充実させます。

テレビや雑誌、Webで体験レポートを報じてもらえるように、記者発表会でも新製品の体験会を行ったり、専門家にその場で評価してもらうのも一興でしょう。

SNSでの情報拡散も視野に入れ、インフルエンサー(ブログやInstagramで多数のフォロワーを有する一般の方々)を発表会に招待することを検討してもよいでしょう。

2)新サービス・新製品発表(法人向け)
発表内容の解説、それを理解してもらうための資料(ライバル製品との比較データ等)が重要なことは言うまでもありません。
登壇者にはトップや宣伝・広報部に加え、サービスや商品の企画開発者も揃え、あえてつっこんだ質疑にも的確に応答できるようにしておきます。

法人向けサービスや商品の場合は、数多くのメディアに露出すること以上に顧客となる層が愛読しているメディアに載ることがたいせつです。
後日重点的に攻めたいメディアだけ別途集めて、より詳細な説明会や製造現場見学ツアーなどを用意するのもいいでしょう。

もちろん識者に評価してもらい、いかに社会に貢献するかといった切り口で話題にしてもらえれば、ブランディングも向上します。

3)新規プロジェクト始動
新規プロジェクト、事業発足は、企業の未来を示唆し、企業ブランディングを向上させるきっかけにもなります。
プロジェクトの詳細にとどまらず、それによって及ぼされる影響や数年後の企業像が予見できるような資料を数字や写真等の画像付きで用意したいものです。

新規プロジェクト自体の説明だけではなく、始動にまつわる経緯やトピックスもしっかりと披露し、報道される際のエピソードも用意しておきます。

記者発表の発展型施策

記者発表会に参加してもらう方々は、基本は記者およびカメラマンのみとします。
情報解禁日時は厳守が原則ですから、よほどの理由がない限りメディア関係者以外は対象としません。

ただ、最近は例外的に来場資格を問わない、あるいは事前に抽選等で選ばれた一般の方々も記者とともに参加してもらう発表会もあります。

1)一般消費者の反応をメディア関係者に目前で体感してもらう
発表する商品やサービスの顧客予備軍の方々を事前に募り、メディアの方々と一緒に体験してもらい、臨場感を煽る手法です。

体験した感想をその場で拾うことができるので、記者の取材の幅も広がります。
ただし、招待する一般の方々からネガティブすぎる意見が出ないような工夫も必須です。

2)オーディション形式等で一般の方々とメディアが同時に最終発表の場に臨む
たとえば雑誌の読者モデルの決定は通常該当誌面でしか発表されませんが、その雑誌の読者モデルから数々の俳優や著名人が巣立っているような背景があれば、話題性が高まり他社媒体で報じられるような「現象」にまで成長する可能性はあります。

文芸界の頂点となる芥川賞・直木賞は文芸春秋社のアワードですが、受賞者決定時には他の出版社やテレビ、Webもこぞって報道します。
ジュノンボーイやノンノモデルも特定雑誌のイベントですが、多数のメディアが話題にします。

大手企業でしか実現できない規模だと思われそうですが、勝負は企画にどれくらい話題性があるかどうかです。

3)人気インフルエンサーやフリーライターも招待し、話題拡散を狙う
特定分野に関して、数百万人級のフォロワーを有し、一言「こんな商品をいち早く見てきたけれど、素晴らしい!」とつぶやけば、多大なる影響力を持つ人々……文字通りインフルエンサーを招致することは、すでに当たり前の時代になってきました。
インフルエンサーだけではなく、特定分野で高い信頼を集めるライターやフリーの記者の方々に報道してもらえるかどうかも重要です。
メディア自体だけではなく、その周囲の「有力者」を見逃さないようにします。

3.準備~当日までの流れ

3.準備~当日までの流れのイメージ
発表する目的に沿って、どのような企画・構成とするのかが決まったら、実行に向けた準備に入ります。
大まかに見積もって、以下のような準備が必要です。

1)発表会の大まかな企画・構成案の説明書の作成と関係者への配布。
2)当日までの流れとして、2か月前にはスケジュール表を確定し、関係者に配布。
3)開催日時、会場、登壇者等発表会の企画内容を決定。
4)運営マニュアルの作成。
5)メディア招致用のリスト作成と、案内状作成・配信。
6)メディアリレーション(取材誘致活動)。
7)発表会当日配布物、プレゼン用制作物(資料、当日配布プレスリリース、司会および登壇者台本の作成、質疑応答用仮想原稿等)の用意。
8)会場設営(メディア用座席、マイク等の備品用意ほか)、登壇者や関係者控室の用意。
9)リハーサル。
10)発表会開催後の問い合わせ対応準備。

上記について少し補足しておきます。

1)発表会の大まかな企画・構成案の説明書の作成と関係者への配布。

記者発表会の開催が決定したら、その目的や大まかな企画・日程等を明記したものを関係者全員で共有します。

2)当日までの流れとして、2か月前にはスケジュール表を確定し、関係者に配布。

スケジュール表作成は未定箇所があっても2か月前には着手し、随時更新して最新情報を関係者で共有していくようにします。

3)開催日時、会場、登壇者等発表会の企画内容を決定。

開催日時等はもちろんスケジュール表に組み込み、関係者に周知してもらいます。

発表会の日時はメディアも大半は会社員ですから、土日は避けたほうが無難です。
金曜開催も露出が金曜夕方以降になるため、掲載メディアが閲覧されるのは土日になってしまいます。週末は情報番組も少なく、自宅購読が減っている新聞を読んでもらうチャンスも減るので、好適とは言えません。

時間的には夕方のニュースや翌日の朝刊狙いであれば、11時スタートが一般的です。
メディアが動きやすい時間としては平日の午後だとよく言われますが、この場合は新聞なら翌日朝刊、Webでは当日夕方配信になります。

会場は、かつてはシティホテルのパーティ会場が好まれましたが、立地のよくないところも少なくなく、昨今では駅に近いイベント専用ホールの需要が高まっています。

4)運営マニュアルの作成。

運営マニュアルとは、開催する記者発表会の全貌を全関係者が共有するために必要な「手びき」です。発表会の全体像を全員が把握できるようにすることと、役割別担当者(連絡先も)や日程、会場の図面等を明記して分担作業がスムーズに進行できるようにするためのものです。

ここに全体の流れを整理し、発表会が終了するまでに必要なことを網羅して、漏れなく準備できるかを確認していきます。
外部からゲストを呼ぶことが決まった場合は担当を配置するだけではなく、専用の控室の用意、場合によっては駐車場の用意、そして時間次第では必要数の食事の手配をどうするかまでマニュアルに明記しておきます。

運営マニュアルの作成によって、当該の発表会がスムーズに進行するだけでなく、発表会ごとの運営マニュアルを保存することでノウハウが蓄積できます。

5)メディア招致用のリスト作成と、案内状作成・配信。

メディア招致用のリスト作成は、日頃利用しているメディアリストの用意がある場合を除き、発表会の内容次第では企業の広報担当者だけでは手に負えないこともあります。
メディアの人事異動もありますから、PR会社の手を借りたほうが合理的です。

案内状の内容は、以下のような項目が必要です。
開催日時・場所/受付開始の時間
会見の趣旨・概要(登壇者やゲスト一覧)
出欠確認欄/出欠の締め切り日時
窓口担当者の連絡先

見やすさ、事実誤認がないかの校正。そしてもちろん誤字脱字等の間違いがないも確認します。

案内状の配信方法は、メールまたはFAXが基本ですが、メディアによっては受付方法を限定している場合もあります。メディアごとに適した方法を選択して送ります。
案内状の配信自体は、3週間前には完了しておきます。

6)メディアリレーション(取材誘致活動)。

ターゲットメディアに取材誘致活動を行います。
5)の案内状の配信が終わったら、待つだけではなく、「届きましたでしょうか? ご都合はいかがでしょうか」と体よく催促をかけます。
これは電話で行います。
特に「必ず露出してもらいたいメディア」には迷惑にならないように電話の時間に気を付けながら、根気よくアプローチします。

参加メディアの目標数を決め、そこに到達するまでは案内状の返信締め切り日が過ぎても「お願いの電話」を諦めないでください。

7)発表会当日配布物、プレゼン用制作物(資料、当日配布プレスリリース、司会および登壇者台本の作成、質疑応答用仮想原稿等)の用意。

配布物等は見やすさに気を配り、念入りに校正します。
発表会当日用進行台本に関しては、最も気を配るべきはタイムスケジュールです。スピーチや移動に無理のない時間配分がされているかどうか、検討を重ねて最終稿とします。
質疑応答用の「想定問答集」の用意もあると安心です。

また、プレスリリースの自社サイトへの掲載は、情報解禁日時にあわせて、フライングしないように気をつけます。
プレスリリースはメディアリストの宛先に加えて記者クラブへも配信します。ただ、記者クラブは一般のメディアと異なり、それぞれ独特のルールがあり、どのような形式で届ければよいのか事前に確認しておきます。

8)会場設営(メディア用座席、マイク等の備品用意ほか)、登壇者や関係者控室の用意。

会場設営は外部のホール等を会場とするなら、メディア用の椅子、受付用の机、プレゼンテーション用のマイク・プロジェクター・スクリーンをはじめとする機材を会場で揃えてもらえるかどうかの確認、電源の確保が万全かどうか、照明の調整などが必要です。

9)リハーサル。

リハーサルは、出席者全員が参加できなくとも、時間配分を見る意味でも行ったほうが安心です。
実際に本番で利用する会場で、メディア席からプロジェクターの画面が見やすいか、音声は聞き取りやすいかのテストが事前にできるといいのですが、無理な場合は当日早めに現地で試してみるとよいでしょう。

10)発表会開催後の問い合わせ対応準備。

記者発表会終了後から数日間、発表内容に関する問い合わせが電話やメールで届きます。これを的確に丁寧に対応できるかどうかが、露出の成否につながります。誰が電話をとっても返事ができるように準備しておきましょう。
問い合わせに関しては、どこのメディアからどのような内容で連絡が来たのか記録をつけておいて、内容次第では後日記事の企画を持ち込む材料とします。

4.開催後のフォローアップ(より多くの露出を目指す働きかけ、露出チェックと効果測定)

4.開催後のフォローアップ(より多くの露出を目指す働きかけ、露出チェックと効果測定)のイメージ
発表会が終了したからといって、それで目的達成ということではありません。
当日質疑応答で返事しきれなかった内容があれば、それをまとめて質問したメディアに送る、自社サイトに公開してその旨招致したメディアに連絡するというような、きめの細かい対応が企業としての印象をよくします。

どのようなメディアに取り上げてもらえたか、露出効果測定も行い、関係者で共有して次回さらに効果を上げるための施策を検討します。

発表会を機に交流を深めることができたメディアには、速報性ではなく企画ものとして扱ってもらえないか検討してもらえるようなアプローチをしてさらなる露出を働きかけます。

5.予算

5.予算のイメージ
これまで記者発表会運営に関して、説明しました。
では、これだけのことを運用するにあたり、費用はどのくらいかかるのでしょう。

記者発表会の費用は、タレントを呼ぶか呼ばないか、造作や装飾の充実度合い、会場のレベルで大きく変動します。

特にタレントを呼ぶ場合、ギャランティが発生するのはもちろんですが、それ相応の会場を用意しなければ見栄えとして釣り合わなくなり、映像的な旨味も損なわれるので全体的に費用が膨らんでいきます。それでも、テレビを呼ぶには手っ取り早い方法となることも多く、無駄とは言えない部分です。
【費用の目安】
タレントを招致する場合:700万~1,500万円
通常の場合:400万~800万円

また、造作物を設置したり装飾を施す場合、運搬費や施工費などの費用も必要となります。さらにこだわりや質を追求すると、費用がより嵩みます。

会場費は、例えば貸しホールであれば50万円~。自社内やホテルの宴会場など、選択する場所によって費用は大きく変わります。

6.効果的な記者発表会の事例

最後に、記者発表会の具体的な事例をいくつか紹介しておきます。

●タニタ、新事業戦略記者発表会を開催
家庭用・業務用各種健康関連計量器メーカー
https://kokusaishogyo-online.jp/2019/01/18546
※生涯現役社会の実現に向けた新技術搭載商品・コンセプトモデル「フレイル体組成計」「脂肪燃焼モニター」「カード型活動量計」の三つの発表を行うに際し、関根勤さんと関根麻里さん親子をゲストに迎え、社員証モデルのカード型活動量計を二人で体験してみせた。

●福井市、LDH JAPANと地域活性化連携協定を締結し、EXILEの橘ケンチさんが『福井市食のPR大使』に就任
福井市
https://www.city.fukui.lg.jp/sigoto/nourin/nougyou/p023236.html
※福井市はかねてより雑誌等の取材ほかで付き合いが多く、地域への理解を深めてくれていたLDH JAPANと地域活性化連携協定を締結。その一環として同社所属のEXILEの橘ケンチさんが福井市のPR大使に就任したことを発表。著名タレントのイメージを自治体のブランディングに活用した事例。

●大手ホテル開業を、インフルエンサーを巻き込んでトレンドワード化
大手不動産会社系ホテル
https://mops-pr.net/work/influencer/
※発表会と試食会を午前と午後の2回に分けて実施。タレントや著名アスリート、インフルエンサーには、発表会とは別設定での内覧会と試泊会も開催。ご家族・ご友人同伴も可能とし、プライベート感覚で楽しんでいただき、各自のSNSでホテルに関する投稿が自然に発生するようにコーディネート。

●小規模な菓子店の開業を、試食会付き発表会でトレンディ誌や女性誌に訴求
高級パテスリー店
https://mops-pr.net/work/patisserie-jirei/
※女性ライフスタイル・グルメ(スイーツ)・ニュース系メディアに限定した新店発表会兼試食会を開催。
ビジュアルの見せ方とストーリーの打ち出し方に工夫し、競合他社(店)との差別化を図り希少性を謳ったキャッチコピー(ホールケーキ専門店)と、メイン商品の歴史およびオリジナリティーを打ち出した「ストーリー性」のある発表内容とした。映え感のある写真を多用したプレスリリースを添えた試食会案内状を用意した。


7.まとめ

当社では、コンテンツ開発を得意とする国内有数の戦略PR会社出身のプランナーや有名ブランドのイベント演出を数多く手掛けてきた制作スタッフ等、専門性の高いメンバーが在籍しており、様々な分野の記者発表会で、数々の成果を上げています。
企業の規模や広報活動歴の有無にかかわらず、発表内容に最適なメディアを露出のターゲットに掲げ、ご要望に叶うような企画を提案いたします。
インフルエンサーや、特定分野に強みをもつタレントや識者との独自コネクションを活かしたイベント企画の実績も多数あります。


記者発表会やプレスイベントに関する課題をお持ちでしたら、無料相談も承りますので、お気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちらから。
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