BtoB広報PR PRお役立ち情報

親指を立てる女性

BtoB企業に効く広報PR|担当者のお悩み4選を解説

最近、当社(MOPS)にもBtoB企業の広報・PRの問い合わせが増えてきました。
BtoB企業の広報担当者の方からよく聞かれるお悩みで多いのが「メディアリレーションの仕方がわからない」ということ。それから「ネタが見つからない・何をPRのネタにすればいいかわからない」、「戦略を作れない・KPIの設定が難しい」などがだいたいどこの企業担当者にも共通するところです。

BtoB市場は事業内容が複雑だったり、商材を知ってもらいたい相手が特定市場に限られていたりと、BtoC市場と比べて広報・PRは難しい、やりづらいと考えられてきました。しかし、ここ数年採用広報・インナー広報の重要性も増しており、BtoB企業も戦略的に広報PRを実行して、企業の認知度向上、ブランディングを図ることが必要になってきています。攻めの要素だけでなく、危機管理広報として守りのご相談も聞かれるようになってきました。

BtoB企業の広報PRを得意とする当社が、これまでの案件の事例を交えつつ、解説していきます。

 

BtoB企業に広報・PRが必要な理由

BtoB企業に広報・PRが必要な理由のイメージ
BtoB企業の広報・PRは難しいという声をよく聞きます。特定市場に理解されればいい業態だから、広報・PRは必要ないと言う方すらいます。

しかし、村田製作所などPRにリソースを割くBtoB企業も少なくありません。実際、村田製作所はプロモーションを強化した結果、日経イメージ調査で1200社中800位以下から200位以内にまで躍進したと当時の広報部長大島幸男氏がセミナー等で公表しています。

同氏は「村田製作所が大企業だから広報や広告に注力できるのではなく、必要だからやっている。BtoB企業で広報・PRが軽視されがちな理由は、いくつか誤解があるからだ」とも力説されています。その“誤解”を大島氏の見解とともに見ていきましょう。

必要可否の図解

企業の名前、業務内容を広く知ってもらうことは、
・営業面で有利になる
・優秀な人材を採用するチャンスが広がる
・従業員の意欲を高める

というようなことにも繋がります。

BtoB企業の広報担当者の悩み

メディアリレーション

BtoB企業の広報担当者とお話しすると真っ先に出てくるのがメディアリレーションのお悩みです。しかし、多くの担当者がプレスリリースを作成して、メディアにFaxを送るというところで止まってしまっています。

実際にそれだけではBtoB企業がメディアへの露出を増やすのは難しいところがあります。当社、MOPSのBtoBのお客様では、いきなりプレスリリースを作ってメディアリレーションをするのではなく、担当者と「そもそも企業・事業を理解する」ところからスタートして、整理ができたら、メディアに理解してもらえるような資料を作成することが多いです。

最近の事例では、小売業のクライアントから対企業に対しても、訴求していきたいというお話をいただくことがありました。そこで、企業・事業を整理して、ストーリー仕立ての会社説明資料を作成。そこからメディアにアプローチをしていき、結果として日経MJに大きい枠で記事が出たり、多くのビジネス系・IT系の媒体に出るに至りました。

プレスリリースの配信だけでなかなかうまくいかないBtoB企業の担当者の方はまず企業紹介資料を作成してメディアを分析したうえ、プランニングをしてみてはいかがでしょうか。

ネタが見つからない・わからない

次に、担当者のお悩みで多いのが「ネタが見つからない・何をPRのネタにすればいいかわからない」です。
ToCであれば商品・サービスが明確なので、何をPRしようかと・・・ネタ探しをする必要はほとんどありません。一方でBtoB企業では、社名サービスの専門性も高いし、どこを切り口にすればメディアに取り上げられるのかという判断が難しいため、リリース一つ作成するのにも一苦労という担当者が多いのです。

ネタでお悩みの担当者へお伝えするのは、競合情報の調査です。マーケティング的な競合分析だけでなく、過去にどのような媒体にどういった内容で露出しているかを細かく分析すします。どんな情報を相手に届けたいか・競合との差別化・どのメディアへの露出を目指すのか。これらを踏まえて広報戦略を作っていきます。

競合分析グラフ

ただし、企業が出したいメッセージとメディアが好む内容が違うこともあるので、その折り合いをつけたネタに整理することに注意が必要です。

BtoB企業の戦略とKPI設定

広報戦略とKPI設定に関しても広報担当者の悩みの種になっています。

同社のクライアントの一つ、建設系のBtoB企業では、KPIとして新たにユーザー数を導入しました。メディア掲載数や広告換算額などはよくある数字ですが、そこから一歩踏み込んでユーザー数を算出して設定しました。


広報PRの目標は、広報活動として、各施策の成果を図ることはできても、会社全体に及ぼす効果を示すことが難しいジャンルです。

かといって、マーケティング寄りに数字だけの目標設定をすると、広報PRによって得られる「評判形成」の効果が抜け落ちてしまうリスクがあるのです。
どれだけ、ステークホルダーに好感をもってもらえたのかというところは、定量ではなく定性的な目標設定とするほうがいいでしょう。

事例として、スーパーマーケットの競合分析をしたうえでポジショニングマップを作ったこともあります。競合分析をしたうえで、こうしたポジショニングマップ(以下見本)をもとに目標を設定して、広報戦略を作っていくというのも一つと言えます。

ポジショニングマップ

まずは広報PRのベースとなる骨組みを:PR戦略プランニング

危機管理広報

危機管理広報のニーズも昨今とても高まっている印象を受けます。
何があるかわからないこの時代に、何かあってから対応するというのはリスクが大きくなってきましたのでしょう。

当社へも過去に個人情報関連で、有事が起こった後に、初動の対応を依頼されたことがありました。そこから対応しましたが、やはり事前に準備しておくに越したことはありません。

危機管理広報で重要なのは「初動」です。有事があってから考えていては遅いです。そのためにも平時の際に危機管理の体制を整えておかなければなりません。
危機管理のためにできることは・・・

不祥事や事件発生時に備えた説明会見の訓練
詫び状の事前準備
釈明文をまとめたプレスリリースの用意と対象メディアリストの作成
問題発生時の情報伝達系統を事前に設定し、関係者の発言を統一化

BtoB企業は、信頼関係で事業が成り立っていると言っても過言ではありません。商材に不備が発生したり、工場で事故があるとそのまま業績に響きます。危機管理広報は、いつでも対応できるように日頃から準備がたいせつです。

危機管理広報のサービス内容はこちらから

BtoB企業の広報・PR戦略、手法

BtoB企業の広報・PR戦略、手法のイメージ
BtoB企業の広報・PRは経営戦略に紐づいたものであるべきですが、具体的な戦略や手法に関する考え方の基本はBtoC企業と変わりません。
ステップを踏んで、広報・PRの戦略や手法を見ていきます。

1)広報・PRの目的を明確にする
売上向上や営業支援のために認知度を上げたいのか、採用を有利に進めたいのか、海外拠点強化のためのグローバル化のためか、社員の士気を高めたい等、目的を明確にします。
また、オプションとしてBtoB企業では予期せぬ危機管理対策としての広報・PRも日常的に対応トレーニングを欠かさないようにしましょう。

2)広報・PRの対象者や地域を設定する
1)で設定した広報・PRの目的に沿って重点を置くターゲット層や地域を定めます。売上向上を主眼とするなら現在後れをとっている商圏を重視するのか、定着した商圏を充実させるのかを考慮します。ターゲット(対象者)は取引先候補、採用目的の広報・PRであれば学生や期待する年齢層、さらに通勤可能な地域在住者といったように絞り込んでいきます。

3)広報・PR活動の時期を設定する
売上向上等営業面に反映させたい広報・PRであれば新製品発売のタイミングか、売上が落ち込む時期か等に合わせて活動の時期を設定します。採用目的ならば学生が志望先を意識し始める時期を中心に活動予定を立てるとよいでしょう。

4)手法を検討する
1)~3)が決まったら、次は手法を考えます。目的別にどのような手法があるのか整理してみます。

◆認知度向上のために
・企業(または社長等の経営陣)紹介シートの作成
・メディアが報道したくなるような企画書の作成
(プレスリリース的な内容ではないことがポイント。導入事例や自社が置かれた市場のトピックスを横断的な視点でまとめる等)
・自慢できる社内の取り組みを整理した報道ファイルの作成 (教育制度、福利厚生、採用、行事等)
・企業あるいは経営陣等が市場をリードする専門家だと位置づけられるような連載
・社長や看板社員の取材獲得
・調査PR(事業内容に関連した調査で得た数値をニュースネタとして利用)
・書籍出版

BtoBの場合、事業内容、商材の内容がわかりづらい場合が少なくありません。プロ同士の取引だとしても、質の判断を下しにくいことも多いでしょう。ひたすら社名を覚えてもらって営業活動に優位性をもたせたいのか、自社のよさをじっくりと理解してもらいたいのかによって手法を検討します。

◆採用(リクルーティング)のために
採用サイトの充実
学生の読者が多い媒体(Webや雑誌等)で社風が伝わるような連載
新人入社後の生活がわかるような動画作成
学生課向け企業紹介冊子の作成

どのようなメディアに取り上げられることが取引先拡大、売上増に結び付くのかを考え、「ターゲットメディアに好かれる、ニュースになるストーリー」を仕立て、企業のブランド力向上に貢献します。

◆グローバル化促進のために
英語サイトの充実
海外通信社向けにプレスリリースを出す
英語版会社案内の制作
社名あるいは、海外対応部署の英語版名称(愛称)を検討

◆社員の士気向上のために
社内報(Webでも紙でも可)発行
社内イベント開催(ZOOM等のオンラインも可)
社内コンペ開催(社是の募集、写真コンテスト、部署ポスター作り等)
経営者と一般社員、異なる部署の交流の場の設定(ZOOM等のオンラインも可)
著名人を採用したイベント開催、CM投下等B2B企業のイメージを脱却するようなコンシュマー向け広報・PRの展開

◆危機管理のために
不祥事や事件発生時に備えた説明会見の訓練
詫び状の事前準備
釈明文をまとめたプレスリリースの用意と対象メディアリストの作成
問題発生時の情報伝達系統を事前に設定し、関係者の発言を統一化

BtoB企業は、信頼関係で事業が成り立っていると言っても過言ではありません。商材に不備が発生したり、工場で事故があるとそのまま業績に響きます。危機管理広報は、いつでも対応できるように日頃から準備がたいせつです。


BtoB企業の広報・PRのポイント

BtoB企業の広報・PRのポイントのイメージ
最後に、BtoB企業の広報・PRのポイントをまとめておきます。

1)広報・PRの対象は少しずつ拡げていく
商圏が限定されていますから、最初に狙うべきターゲットは身近な業界、関係者に絞って展開します。

まずは業界誌や特定市場向けWeb媒体を狙い、そこで「知らない人はいない」というほどの認知を得たら、自社の技術や人物、背景エピソードなどを素材にテレビや新聞へアプローチしていくといったように訴求先を拡大していきます。

2)人物PRは基本中の基本
BtoB企業は広報・PRしようにも、商材にかたちがなくメディアに提供できる写真がないという声もよく聞きます。それなら、企業のトップやメイン商材の責任者が広告塔になって、積極的に取材に応じればいいのです。秀逸なソフトウェア誕生秘話、事業急成長のコツ、人材育成で大事にしていること等、メディアに合わせてさまざまな視点で話題を提供することができます。

3)季節感、社会性に常時注目して話題を提供する
季節感や社会性に応じて話題を提供することは、業種を問わず広報・PRの基本ではありますが、BtoB企業の場合「工業用の部品などが商材なので、その手の話題に乏しい」とお嘆きの方もいらっしゃると思います。

しかし、商材の納品先が巡り巡って季節感や社会性のある何かに辿り着くのであれば、部品ひとつからでもストーリーは展開します。商材に直結しなくとも社屋のそばの桜の木が美しいだとか、毎年行う定例行事でもよいですし、季節感のあるニュースになるような話題をつくってしまうことさえできます。ネタの掘り起こしは、工夫次第です。

4)デジタルメディアを活用する
Web、メール、オンラインセミナー、バーチャル展示会などのデジタル技術を活用したBtoBマーケティングやBtoB営業施策がここ数年話題です。デジタルメディアを活用すれば、メール等のアカウントによって広報・PRの対象となる人々をグループ化でき、営業、調査をはじめ、どんどんメッセージの輪が広がります。

以上のようにBtoB企業も広報・PRを積極的に実践して、事業の拡大にお役立てください。


BtoB PR事例

当社で手掛けたBtoBPRの事例の一部を紹介します

1) 東証一部上場のグローバル企業
――認知度の課題を戦略的なストーリーやキーメッセージの策定により改善、「誰もが知る著名な企業」へ
https://mops-pr.net/work/anniversary_event/


2) IT系企業やスタートアップなどへの支援を行う経営コンサルティング会社
――サービス・実績に関するメディア向け資料の作成、セミナー開催、書籍出版などで、ビジネス系メディア140媒体超の露出を獲得、さらに売上増を実現
https://mops-pr.net/work/btob-pr/


3) IT・通信企業
――東証一部に上場する前後の中長期的なPRを担当。上場前後でアプローチするメディアを変え、効果的な露出に。上場後の株価の上昇にも寄与  
https://mops-pr.net/work/kabushikikoukai-pr/


4) 就職・教育支援のベンチャー企業(BtoBtoC事例)
――時流に応じた変化のある「採用サービス」の開発を提案。全国紙やテレビなどからの取材依頼が絶えない企業へ、IPOも達成  
https://mops-pr.net/work/venture-ipo/


5) 外資系新興ロボットメーカー
――ニッチで難解な産業用商材をPRで認知度を向上。4カ国語対応の会見を開催し、国内メディアはもとより、海外メディアの露出にも成功 
https://mops-pr.net/work/robot/


IPO、M&A、資金調達などで事業拡大を図る企業にとって、それぞれの成長フェーズに合わせたキーメッセージの策定やメディア戦略の設計は必要不可欠な施策です。当社では、高度なPRスキルや専門性が求められるBtoB領域の広報PRにおいても、多角的な戦略を用いたBtoB PRサービスを提供しています。

企業をさらなる成長フェーズへ引き上げる広報PR支援をご希望の方は、お気軽にご質問・ご依頼ください。お問い合わせはこちらから。

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