①ヘッダーはプレスリリースの身分証明書
意外に軽視されがちな部分ですが、大量に届く書類の中から「プレスリリース」だということを明記しておくことはたいせつです。単に「報道資料」「PRESS RELEASE」と書類のヘッダー部分に入れておけばいいだけの話です。
発信者が誰なのか、このプレスリリースの情報が有効になる日時も明記します。
②プレスリリースの明暗を決めるタイトル
プレスリリースはタイトルが命です。メディアはタイトルを見て、「ニュースとしての価値があるかどうか」を判断します。
インパクトのあるタイトルにすることは重要ですが、誇張は禁物です。端的に、明確に、具体的に、が鉄則です。宣伝めいた形容詞よりも、数字やデータに基づいた表現のほうが効果的です。「!」や「!?」の使いすぎも嫌う記者が多いので、要注意。
タイトル、サブタイトルの文字数は、いずれもパッと見で理解できる長さ=30文字程度に収めるとすっきりします。
③ニュースバリューを伝えるリード部分
リード(導入)部分で「本文を読む価値があるのか」が判断されます。5W1Hを意識し、リード文だけ読めば伝えたい内容、商材の魅力、ニュース性がわかるよう簡潔にまとめましょう。
④本文は5W4H+3つのポイントを意識する
文章を書くうえで大事なポイントである「5W1H」ですが、プレスリリースの場合は、5W4Hです。
・When「いつ」:開始日時
・Who「誰が」:発信元の企業または団体名
・What「何を」:メインとなるトピックス
・Where「どこで」:会場や実施エリアなど
・Why「なぜ」:実施に至った市場や社会的背景
・How「どうやって」:具体的な実施概要
・How long「どのくらい」:実施期間
・How many「どれだけ」:量
・How much「いくら」:商品価格や参加費用
この「5W4H」を意識します。
さらに、より「記事にしたくなる」気持ちを喚起する3つのポイントがあります。
1) 新規性・ニュース性
メディアが大好きなポイントです。今回の商材は何が新しいのか、どのようなニュース性・話題性があるのかを簡潔にまとめます。「初!」「変化」「驚き」のある情報が入るとわかりやすいでしょう。「日本初」や「世界最小」といった情報を盛り込むと、記事化されやすくなります。
2) 社会的背景
商材情報をそのまま伝えるだけでは、単なる宣伝チラシと大差なくなってしまいます。その商材が誕生した経緯、社会のニーズや背景にも言及することで、宣伝ではなく「ニュースの素」になるのです。商材を社会に知らしめるべきは何かというストーリーを盛り込むことが、ポイントです。
3) あくまでファクトベース
報道は客観的目線がたいせつです。つまり、プレスリリースの内容に信憑性があるかどうかは、メディアにとって非常に重要なのです。記された情報は、ファクトベースであることがマスト。具体的な事例や裏付けのあるデータを盛り込むことは、よりメディアに取り上げられやすくなるポイントだといえます。
そして、本文も含めて極力1ページ以内に収めたいものですが、長くなってしまった場合は適宜小見出しを入れて、読みやすさを心掛けてください。
⑤ 発信元情報
これは、商材情報の裏付けとして必要があれば発信元となる企業情報などを最後にまとめておくか、場合によっては別紙に添付するとよいでしょう。
情報の問い合わせ先のみ明記するに留めても問題ありません。
⑥ アイキャッチとなる画像も重要
商材情報を補完する写真や図があると、プレスリリースの印象を強くするだけでなく、報道されやすくなります。テレビのみならず、Webや紙メディアでも「画(絵)になる要素」が企画の表現力を大きく左右するからです。
以上、プレスリリースの基本的な書き方をまとめてみました。広報担当者にとって「当たり前すぎる仕事」であるだけに、ついつい日々の定例作業のようにこなしてしまうこともあるかもしれません。しかし、ときには基本の書き方に立ち返ってみてください。そうすることで「記事にしたくなるプレスリリース」の精度がどんどん上がっていくはずです。
最後に、参考になりそうな「実際に配信されたプレスリリース例」をご紹介しておきます。
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