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プレスリリースの見本

記事にしたくなるプレスリリースの書き方――基本中の基本

記者に届くプレスリリースは、1日500通とも言われています。さて、そんな大量のライバルたちを押しのけて、あなたが手掛けた1通に目を止めてもらうには、どうしたらいいのでしょうか?
「目に止めてもらえるプレスリリースの書き方」は、意外に簡単です。「目立つように奇をてらう」のではなく、本当に伝えたいことを簡潔にわかりやすく書けばよいのです。

■プレスリリースとは

■プレスリリースとはのイメージ
プレスリリースとは、企業や団体組織がテレビや新聞、Web などさまざまなメディアに対して、新商品や新サービス、企業・団体の取組みなどの情報を発信するための公式文書です。
プレスリリースを介してメディアに届いた情報はテレビや新聞、Webのニュースとして報道され、世の中に広く知られ、関心を抱いてもらえるようになります。報道だけではなく、内容次第ではバラエティー番組やトレンド情報誌・サイトにも取り上げられます。
しかも「広告」とは違い、プレスリリースの発信自体には費用がかかりません。もちろん広告の場合は必ずメディアに載りますが、プレスリリースで発信された情報はメディアの目に留まらないとお蔵入りです。でも、書き方ひとつで多種多様な媒体でいろいろな切り口で露出する可能性も秘めています。情報発信元ではなく、メディアという第三者のお墨付きで世に出るため、信頼性や共感性も広告以上に高まる広報手段です。

■プレスリリースの基本構成6項目

■プレスリリースの基本構成6項目のイメージ
メディアが記事にしたくなるプレスリリースの書き方ですが、冒頭に「意外と簡単」だと言い切りました。なぜならメディア関係者も文章のプロなので、小手先で突飛な小細工をするよりも「説明文の基本」にのっとり、簡潔にわかりやすくまとめることが何よりだからです。
そのために気を付けたいことを以下、説明していきます。

言うまでもなく、「何を伝えるためのプレスリリースなのか」は書く前に明確にしておきます。それを軸として、次の6項目について書き始めます。最初は下書き程度でOKです。

① ヘッダー
この書類がプレスリリースである旨明記+発信者名(社名や団体名)+発信日付

② タイトル
このプレスリリースが何を伝えるためのものなのか
※例)「●×△食品 タピオカ味チョコレート 新発売」

③ リード
タイトルの文言を補完する、プレスリリースのサマライズ的な小文

④ 本文
「伝えたいこと」の詳細

⑤ 発信元情報
会社概要+問い合わせ先

⑥ 画像

上記の6項目は必須です。プレスリリースは、まずこの6項目に何を書いていくか決めます。そして、次にそれぞれをどのように肉付けしていけばよいのか、以下見ていきます。

■各項目(要素)の役割、留意点

■各項目(要素)の役割、留意点のイメージ
①ヘッダーはプレスリリースの身分証明書
意外に軽視されがちな部分ですが、大量に届く書類の中から「プレスリリース」だということを明記しておくことはたいせつです。単に「報道資料」「PRESS RELEASE」と書類のヘッダー部分に入れておけばいいだけの話です。
発信者が誰なのか、このプレスリリースの情報が有効になる日時も明記します。

②プレスリリースの明暗を決めるタイトル
プレスリリースはタイトルが命です。メディアはタイトルを見て、「ニュースとしての価値があるかどうか」を判断します。

インパクトのあるタイトルにすることは重要ですが、誇張は禁物です。端的に、明確に、具体的に、が鉄則です。宣伝めいた形容詞よりも、数字やデータに基づいた表現のほうが効果的です。「!」や「!?」の使いすぎも嫌う記者が多いので、要注意。
タイトル、サブタイトルの文字数は、いずれもパッと見で理解できる長さ=30文字程度に収めるとすっきりします。

③ニュースバリューを伝えるリード部分
リード(導入)部分で「本文を読む価値があるのか」が判断されます。5W1Hを意識し、リード文だけ読めば伝えたい内容、商材の魅力、ニュース性がわかるよう簡潔にまとめましょう。

④本文は5W4H+3つのポイントを意識する
文章を書くうえで大事なポイントである「5W1H」ですが、プレスリリースの場合は、5W4Hです。

・When「いつ」:開始日時
・Who「誰が」:発信元の企業または団体名
・What「何を」:メインとなるトピックス
・Where「どこで」:会場や実施エリアなど
・Why「なぜ」:実施に至った市場や社会的背景
・How「どうやって」:具体的な実施概要
・How long「どのくらい」:実施期間
・How many「どれだけ」:量
・How much「いくら」:商品価格や参加費用

この「5W4H」を意識します。
さらに、より「記事にしたくなる」気持ちを喚起する3つのポイントがあります。

1) 新規性・ニュース性
メディアが大好きなポイントです。今回の商材は何が新しいのか、どのようなニュース性・話題性があるのかを簡潔にまとめます。「初!」「変化」「驚き」のある情報が入るとわかりやすいでしょう。「日本初」や「世界最小」といった情報を盛り込むと、記事化されやすくなります。

2) 社会的背景
商材情報をそのまま伝えるだけでは、単なる宣伝チラシと大差なくなってしまいます。その商材が誕生した経緯、社会のニーズや背景にも言及することで、宣伝ではなく「ニュースの素」になるのです。商材を社会に知らしめるべきは何かというストーリーを盛り込むことが、ポイントです。

3) あくまでファクトベース
報道は客観的目線がたいせつです。つまり、プレスリリースの内容に信憑性があるかどうかは、メディアにとって非常に重要なのです。記された情報は、ファクトベースであることがマスト。具体的な事例や裏付けのあるデータを盛り込むことは、よりメディアに取り上げられやすくなるポイントだといえます。

そして、本文も含めて極力1ページ以内に収めたいものですが、長くなってしまった場合は適宜小見出しを入れて、読みやすさを心掛けてください。

⑤ 発信元情報
これは、商材情報の裏付けとして必要があれば発信元となる企業情報などを最後にまとめておくか、場合によっては別紙に添付するとよいでしょう。
情報の問い合わせ先のみ明記するに留めても問題ありません。

⑥ アイキャッチとなる画像も重要
商材情報を補完する写真や図があると、プレスリリースの印象を強くするだけでなく、報道されやすくなります。テレビのみならず、Webや紙メディアでも「画(絵)になる要素」が企画の表現力を大きく左右するからです。

以上、プレスリリースの基本的な書き方をまとめてみました。広報担当者にとって「当たり前すぎる仕事」であるだけに、ついつい日々の定例作業のようにこなしてしまうこともあるかもしれません。しかし、ときには基本の書き方に立ち返ってみてください。そうすることで「記事にしたくなるプレスリリース」の精度がどんどん上がっていくはずです。

最後に、参考になりそうな「実際に配信されたプレスリリース例」をご紹介しておきます。

■2021年 プレスリリース参考例 ――目的別7選

■2021年 プレスリリース参考例 ――目的別7選のイメージ
新商品や新サービスなど、目的別に、実際に配信されたプレスリリースを参考例としてピックアップしました。

①新商品
――ユニクロが21年7月に発売した「細田守アニメーションワークス UT 」
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/corp/press-release/2021/06/21062811_21ss_mamoruhosoda_ut.html

――サラヤが21年7月に発売した「アルソフト 手指消毒ローション」 
https://www.saraya.com/news/2021/115645.html

――日清食品が21年8月に発売した「日清 辛豚ラ王」
https://www.nissin.com/jp/news/9710


②新サービス
――イオングループが手掛けるきものリメイクサービス
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002814.000007505.html

――ANAが開始した「あんしん・便利な空港送迎予約サービス」
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202107/20210720.html


③イベント・セミナー
――ベネッセi-キャリアとパシフィックリーグマーケティング主催の「パーソル パ・リーグ大学 dodaキャンパスゼミ」
https://www.persol-career.co.jp/pressroom/news/service/2021/20210712_01/

――一般社団法人日本経営協会が、パシフィコ横浜で開催した「自治体総合フェア 2021」
https://www.noma.or.jp/Portals/0/999_noma/pdf/nomanews20210506.pdf


④記者発表会(開催告知・事後報告)
――リコーの【「リコーブラックラムズ」新リーグ参入記者発表会】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000068045.html

――内閣府が開催した【「そうだったのか!マイナンバーカード。」取得促進 記者発表会】
https://www.atpress.ne.jp/news/250512


⑤動画を使ったプレスリリース
――ソニーのスマートウォッチ 「wena3」の製品紹介
https://www.youtube.com/watch?v=Dytre3vU09g

――赤ちゃん本舗が大日本印刷、パパスマイル)と協業し21年6月10日~7月9日に開催した展示会の模様
https://prtimes.jp/tv/detail/2104

――恐竜科学博開催の模様
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000045734.html


⑥新会社設立
――明治が設立したメイジフードベトナム(Meiji Food Vietnam Co., Ltd.) 
https://kyodonewsprwire.jp/release/202103122185

――JERAが設立したJERAミライフル
https://www.jera.co.jp/information/20210401_660


⑦複数企業の連盟で
――ニューズピックスとNTTドコモが提供開始した、ドコモの法人会員向けメディアサービス「NewsPicks +d」のリリースです
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2021/07/19_00.html

――三井不動産グループとタイミーが業務提携を発表したリリースです
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/0714_01/
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