4)ニーズに合うか見極めたい PR会社のタイプ
「PRとは何か」、「PRと広告の違い」について把握していただいたところで、本題となるPR会社選びのポイントに入ります。
どんな目的でPR会社を使うのか、使った場合のメリット・デメリットは何かを整理します。
まずは、PR会社を分類してみます。
担当業界別
①特定業界専門型
ITや医療、ファッション等、特定の業界のPRに特化したPR 会社です。
広く浅いPRであれば、業界の細かい部分まで理解することができなくてもサポートは可能ですが、学術的な専門誌への露出や専門家を集めた討論会の開催等になると、かなり踏み込んだ知識が必要になります。
そういったニーズにこたえ、特定業界のメディアに精通し、知識も豊富なスタッフがPRをサポートしてくれます。
②総合型
特定の業界に偏らず、あらゆる業種のPRをサポートします。多種多様な業界に対応でき、専門色の強いPRでも用語等の説明の補助さえあれば、問題ありません。
総合型で、且つクオリティの高いPR会社であれば、仮に専門用語の多いPR商材でも、可能な限り平易な言葉に置き換えて情報発信するため、専門メディアはもちろん、「マス(大衆)メディア」への露出可能性も格段に上がります。
サポート内容別
①広報スタッフ補完型
社内の広報スタッフの人数や経験不足を補う、広報スタッフ派遣型のサポートをするPR会社です。依頼企業のニーズに沿って、広報スタッフとして動きます。社内にデスクを置いて社員と同様常駐するケースもありますし、必要に応じて連絡をとりながら外部で広報活動をする等、勤務形式はさまざまです。
②特定業務限定サポート型
メディアリレーションだけ、広報スタッフの教育だけ、SNSやネット関連のメディアを対象としたPRだけ、記者発表会等イベントの運営だけ等、あらかじめ契約した内容の業務だけサポートするPR会社です。
③企画立案&コンサル型
依頼企業の希望・趣旨に沿って、PR計画・企画を立案し、承認後は実働部隊として動きます。広報全体を見渡し、設計して立案した企画を遂行します。多くの場合、①の「広報スタッフ補完型」の動きを包含します。
PR会社は大まかにはこのように分類できます。上記のすべての要素を兼ね備えたPR会社もありますし、上記の各項目単位の業務しか行わないPR会社もあります。
PR会社に何を求めているのかチェックする
希望するPRが業界特化型なのか、それとも広くあまねくPRしたいのか、さらにサポートの形態はどのような形式が望ましいのか考慮して、どのようなタイプのPR会社が自社に合うのか候補を絞っていきます。
前項で最初に掲げた「担当業界別」の①ほど特化している必要はなくても、
「自社の業界に精通しているかどうか。自社のニーズとPR会社の得意分野が合致しているか」
は、確認したいところです。
また、広報業務全般をサポートしてもらいたいとしても、重点的に委託したい業務(プレスリリース作成・配信、メディアアプローチ、発表会の運営、広報物の制作等)は何なのか、それらが得意なPR会社かどうかは見極めて契約に進みたいところです。
PR会社の規模の大小やPR手法の実績は選定基準としてあまりあてになりません。規模が大きければ取引先数も多いため、必ずしもきめ細かく丁寧に担当してくれるとは限りませんし、PR手法が派手であったり大規模であることよりも、実施後の効果がどうだったかのほうが重要だからです。
とはいえ、成果の質に関してはどれだけの量の媒体に扱われたか以上のことは、把握しづらいもの。PRに期待する効果は、各社各様です。
このようなチェック作業により、PR会社の種類やサービス形態で自社に最も合いそうなのはどこかを見定めます。
そうした準備を整え、最終的には対面で(オンラインでも構いませんが契約前には一度は直接面会しておきたいところです)社風や熱意、知見の有無等を体感しながら選定します。
さらに、PR会社との相性を測る質問事項に、「どのような取引形態を重視しているPR会社なのか」を追加してみましょう。