「意外なコラボレーション」 売上につながるPR戦略とは 2021/11/25
話題性のあるアニメキャラや人気タレントをパッケージに採用したり、限定グッズプレゼントといったコラボレーション企画は、販促やPRの世界では王道中の王道だといえるでしょう。先日も早朝からタリーズに行列ができていましたが、これは大ヒット映画のハリーポッターとのコラボ初日の光景でした。映画に登場する飲み物をオマージュした期間限定メニューや登場人物をイメージさせるような模様をあしらったマグカップなどを目掛けて開店早々詰めかけた人々で、しばらくタリーズは常時満席となるでしょう。
〇タリーズコーヒーとハリー・ポッター魔法ワールド 『 Magical Coffee Time 』 コラボレーション
https://www.tullys.co.jp/company/pressrelease/2021/11/harry_potter.html
人気のあるコンテンツとコラボして集客や売り上げ向上を狙う戦略は、珍しいものではありません。ただ、従来は同業他社とのコラボやイメージが大きく異なる企業同士のコラボは、タブー視されがちでした。ところが、最近は「飲食業同士のコラボ」や「客層がまったく異なる企業同士のコラボ」も目立っています。しかも意外性があるため大きな話題となり、成功を収めるケースが増えています。
異色のコラボキャンペーンを数例挙げてみましょう。
■同業同士のコラボ
〇スシローが一つ星フレンチsioのシェフと共同制作のすき焼き海鮮しゃり弁を発売
https://www.akindo-sushiro.co.jp/news/detail.php?id=2519
〇串カツ田中と鳥貴族が互いに商品開発してメニューを提供し合う。コラボグッズも販売
https://kushi-tanaka.com/news/entry/1749
〇マクドナルドの特定店舗でゴディバのフレーバーが味わえるデザートを提供
https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/chocolateespresso_frappe/
これらをはじめ、飲食業界では同業他社とコラボしたキャンペーンが多数展開中です。
カレーのチェーン店・ゴーゴーカレーはすでに10年以上も前からファミレスや居酒屋チェーンにカレーメニューを提供し、コラボ先の店舗にはゴーゴーカレーの存在を誇示するようにキャンペーンツール(のぼり旗やポスター等)を設置して認知度を高めてきました。ゴーゴーカレーの同業コラボは「赤から」「ジョイフル(ファミレス)」「塚田農場」「ステーキ五郎」「磯丸水産」と、年々数を増やし続けています。
■異業種企業のありそうでなかったコラボ
〇居酒屋養老乃瀧と旅行会社ベルトラが料理教室を共同企画
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000269.000002892.html
〇カメヤマローソクと日清食品や清酒会社のコラボで「故人の好物ロウソクシリーズ」発売
http://rosoku.kameyama.co.jp/products/rosoku/collaboration_favorite_rosoku/
〇スターバックスとバルミューダがコーヒーメーカーを共同開発。スタバの味を自宅で
https://www.balmuda.com/jp/brew/special-model
このように、あの手この手で繰り広げられているコラボキャンペーンですが、そのメリットを改めて分析してみます。
■コラボキャンペーンのメリット
1.ある程度見込みのある話題性を期待でき、新製品をゼロから企画するよりは低コストですむ。
2.コラボ先が強い地域や年齢層を自社に誘因できる。
3.同種の分野の商品とのコラボであっても、まったく異分野の商品とのコラボであっても、コラボ先から売り方等の手法を学べ、社内が活性化する。
同業同士のコラボも以前はタブーでしたが、商圏の異なる居酒屋チェーン同士のコラボなら従来とは異なる商圏での認知向上や相性分析ができる等多数のメリットが考えられます。
カメヤマローソクのように、地味な印象の市場にいながら食品系の企業とのコラボでイメージを広げてもらうことができます。
■コラボキャンペーンの注意点
コラボキャンペーンは「何を伝えるための施策なのか」を明確にして、自社発信だけでは説得力の弱いポイントを補ってくれそうなパートナーを選定するところから始めます。
相手先のあるキャンペーンですから、先方にもメリットのある企画を用意することが必要です。また、キャンペーンの実働部隊は提案主の企業が中心となるようであっても、メディアアプローチや開示する情報内容、公開日時等は連動していなければなりません。
問い合わせ先を一元化する、プレスリリースは両社の企業サイトから別々に出すとしても記された内容に齟齬がないようにしなければなりません。
コラボレーションは、いろいろと配慮しなければならない点も多い施策ではありますが、一緒に組む相手を上手に選べば、新規顧客やアプローチメディアを広げるには非常に有効です。バレンタインデーやクリスマスなど、毎年運用する時期を決めてコラボキャンペーンを行えば、ファンはその時期を待っていてくれるようにさえなります。
最後に当社で手掛けたコラボレーション事例の一部をご紹介します。
各ブランドとのコラボレーションによって、ホテルの「コンセプトルーム」や「宿泊プラン」を40件以上プロデュースさせていただきました。
事例:ホテ活プロジェクト
https://mops-pr.net/work/hotekatsu_pr/
事例:海外メディア数百媒体へ拡散したコンセプトルーム
https://mops-pr.net/work/kaigai-pr/
やり方はさまざまあると思います。
コラボキャンペーンをご検討されている場合はお気軽にお問合せください。