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ジャニーズ問題で注目を集める「社名変更」の効果 2023/11/17

企業にとって、社名はとても大事なものです。

特に売上向上のためには社名の認知度は非常に重要で、「誰でも知っている企業」であることは、そのまま信頼につながり、営業や商談がうまく進むようになります。

 

ですから、その社名を変更するということは、非常に戦略的な目論見がない限り、そうそう行われることではありません。

現在物議をかもしているジャニーズ事務所の社名変更になぞらえて、社名変更をする理由、その効果などについてわかりやすく解説していきます。

 

社名変更する理由

社名変更の理由はいくつか挙げられますが、ジャニーズ事務所の例を想定すると、複数の理由が絡んでいることがわかるでしょう。ジャニーズ事務所の社名変更は「犯罪に関わる人物名=社名」ではマズいというだけが、その理由ではないと考えられます。

 

➀市場適応性の向上

市場の変化や顧客の要望に対応するための社名変更です。

新しい社名が現在のビジネスモデルや商品・サービスに、今の社名よりも適合すれば、市場での受容が高まることが見込まれます。

 

②新たなブランド戦略の立案

社名は企業の象徴ですから、その変更は新たなブランディング戦略につながります。社名変更によって企業は新しいイメージを築き、目指すポジションを社会に指し示すことができます。

 

➂事業拡大や多角化

企業が新たな事業領域に進出する場合、特定の業種を想起させる単語が入っている社名等、現行の社名が適切でない場合があります。新事業に適合した社名に変更することで、事業拡大がスムーズに進むようになるでしょう。

 

④企業統合や法的・規制上の問題

企業の合併ほか法的状態や規制上の問題に対応するために、社名を変更する場合があります。

 

⑤過去のイメージや負の連想の断絶

企業が過去の問題や不祥事等負の連想を断ち切るための社名変更です。新しい社名はクリーンな印象を与え、再出発のシンボルとなります。

 

⑥国際展開への適応

企業が国際市場に進出する際、現地の文化や言語に合わせて社名を変更する場合があります。また、国内のみを対象に事業をしていた企業が、市場のグローバル化を考えて、欧文やカタカナの社名に変更することもよく見受けられます。

 

⑦省略型

企業名が長すぎるため、覚えてもらいにくかったり誤記されるケースが多いことを考慮して、省略型の社名に変更する場合も意外に少なくありません。

たとえば東京芝浦電気から東芝に、東京電気化学工業からTDKに社名変更した等があります。 

 

社名変更の効果

社名変更の理由を見てわかるように、決してネガティブな行為ではなく、企業の成長を促進させる戦略の一環として行われるケースが圧倒的です。

社名変更することで、具体的にどのような効果があるのか整理していきます。

 

ブランドイメージの変革/差別化:

社名は企業の顔であり、イメージを形成します。社名変更は新たなイメージを構築し、古いイメージや過去の関連を断ち切る助けとなります。例えば、アップル(Apple)はかつては”Apple Computer, Inc.”という名前でしたが、”Computer”を外し、幅広い製品やサービスに対応するイメージを築きました。富士フイルムも元は富士写真フイルムでしたが、「写真」に留まらない市場領域に事業拡大が進み、企業イメージの固定化を考慮して「写真」を外しました。

 

②マーケットへのアプローチ方法を変更:

社名変更は新たな市場や顧客層にアプローチするための手段でもあります。たとえば、オンライン販売大手のアマゾンは、元々は”Cadabra”という名前で書籍通販からスタートしましたが、幅広い商品の取り扱いを市場に訴求するために”Amazon”に社名変更しました。

 

法や規制への対応:

企業活動に関連する法的な制約や規制の変更に対応するために、社名を変更する場合があります。社名に倫理上問題のある単語が含まれていたり、同名の既存の会社があり市場を混乱させる可能性がある場合などは、登記できない場合がありますし、後日指摘され、社名変更を求められるケースもあります。

 

事業拡大のアピール:

事業拡大や多角化のシグナルとしても、社名変更は機能します。例えば、Googleは親会社の社名を”Alphabet”に変更し、検索エンジンをはじめとする「Googleブランド」以外の事業も多角的に展開する活動を進めることを示唆しました。旭硝子も、「ガラス」以外の事業を拡大していることや世界中の商圏を対象としていることなどをアピールする目的で、AGCと社名変更しています。

 

■事例に見る、社名変更の効果

では、社名変更の効果について、誰もが知っている企業の社名変更の事例をいくつか並べておきますので、それらの企業の社名変更前と後の印象の違いを、実感してみてください。

論より証拠で「社名変更」の効果がどんなものなのか、体感していただけると思います。

 

富士重工業 → スバル

トヨタにしろホンダにしろ、日本の主要自動車メーカーは社名=車のブランド名となっています。日産しかり、三菱しかり。その中で長らく社名と車のブランド名がイコール関係にない企業がありました。それが現在のスバルとなった旧富士重工です。

社員が海外で仕事をすると、頻繁に「社名はスバルではないのですね」と言われ、苦笑いすることが多かったと聞きます。創業100年となる2017年を機に、すでに世界のレース等でスバルの名を轟かせていた富士重工が社名変更を果たしたのです。

株式会社SUBARU(スバル)https://www.subaru.co.jp/

 

松尾糧食工業所 → カルビー製菓 → カルビー

いまやポテトチップス製造・販売の代名詞的存在のカルビーのルーツは、戦時中に様々な種類の食糧を製造していた松尾糧食工業所でした。

同工業所は戦後日本人に不足していたカルシウムとビタミンB1を摂取しやすいスナック菓子の製造にシフトし、カル(シウム)+(ビタミン)ビー(B1)でカルビー製菓に社名変更したのです。

スナック菓子・かっぱえびせんを大ヒットさせた後、ポテトチップスが大人気となり、さらにシリアル食品等にまで市場を広げ、現在のカルビーに社名変更を果たしています。

カルビー株式会社 http://www.calbee.co.jp/

 

東洋レーヨン → 東レ

1926年に東洋レーヨンという社名でレーヨンの糸、さらにナイロン、そして絹、ポリエステルと、繊維製造企業として成長を続けた現「東レ」。繊維産業のみならず、プラスチック市場をはじめ事業を多角的に展開し続けた結果、「レーヨン」という言葉が目立つ社名が実態と乖離していきました。創業45年にあたる、1970年に「東洋レーヨン」の語感を残しつつ、その簡略系とも受け止められる「東レ」に社名変更しました。

東レ株式会社 https://www.toray.co.jp/

 

社名変更は様々な戦略的要因に基づいて行われる場合がありますが、それに伴う効果は企業ごとに異なります。適切に実施されると、社名変更は企業の発展に寄与する重要な一環となり得ます。

 

社名変更を繰り返すのは是か非か

社名変更を繰り返す企業があります。

冒頭に述べたように企業にとって社名は大事なものであり、認知度も重要ですから、頻繁に社名を変更するメリットは一般的には少ないと言えます。

 

社名変更に伴い、企業を示す印刷物やホームページのドメイン名等変更するものがたくさんありますし、変更したことを関係各所に伝達することにも膨大な労力とコストがかかります。

 

それでも、頻繁に社名変更している企業もあります。

代表例がソフトバンクグループです。

M&Aが企業のブランディングにたびたび大きな影響を及ぼすため……ということが最大の要因だと考えられますが、ポータルサイトであり検索エンジンであるYahoo!がグループの柱だった時代はヤフーカードにヤフートラベル、Yahoo!BB等なんでもサービス名や社名は「ヤフー●●」になり、それがPayPayやLINEとパートナーが変わるごとにグループ会社名もクルクル変わっていきます。

ソフトバンクという名すら霞んできそうですが、市場にそれほど混乱を及ぼしていないのは、大量のTVCM投下中心に、ソフトバンクやPayPayがどんなサービスでどんな企業なのかが多くの人々に知れ渡っていること、グループの総帥である孫正義氏の言動が折々に経済界にインパクトを与え注目を集め続けているからではないでしょうか。

 

ジャパンネット銀行がPayPay銀行へ。SB系列企業が頻繁に社名変更する理由

https://mops-pr.net/prnews/shameihenkou_sb/

 

現在連日ワイドショーやSNSを賑わせている元ジャニーズ事務所の社名変更問題ですが、同社はタレントのマネジメントを事業とする新会社を設立し、社名も刷新して新たな一歩を踏み出すと発言したにもかかわらず、予告した日程はすでに過ぎてしまいました。

新社名決定には慎重を期す必要があるうえ、その登記にも2~3週間かかりますし、印刷物等の変更を考慮すれば最低でも半年は必要な作業だと想像がつくでしょう。

社名変更には数々のメリット・デメリットがありますが、それに伴う労力も並々ならぬものが必要です。

 

弊社では社名変更の相談をたびたび受けて参りました。商号改訂のみならずこの機を利用して多面的にPR活動を展開し、効果を上げた実績がいくつかあります。ご検討の企業があれば、ぜひご一報ください。

 

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