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SNSを活用した広報活動で気を付けたい、風評被害や偽アカウント 2024/05/02

4月1日から宮内庁がInstagramの公式アカウント(宮内庁/ Imperial Household Agency)を開設し、注目を集めています。開設からわずか3週間でフォロワー数は100万を突破!
天皇陛下をはじめとする皇室の方々のご活動の模様を発信してゆくとのことです。
運用は2023年4月に誕生したばかりの宮内庁・広報室が担当し、広報室長には警察庁キャリアの女性が就任しています。広報室は単なる皇室の情報提供だけではなく、「皇室に関する公式報道を強化し、他のメディアから時々発信される誤報等を防ぐ」意図でも研究・活動していくそうです。
当サイトのPRお役立ち情報 でも、SNSを利用したPRはたいへん効果的だと再三述べて来ました。ただ、このSNSのみならず、メディアは、風評被害の素になったり、あるいは偽アカウントで詐欺まがいの行為を図られるといった危険性をもはらんでいるのはご存じのとおりです。
宮内庁もInstagramを始めるにあたり、「なりすまし(偽)アカウントには気を付けてください」と注意を呼びかけています。
そこで、風評被害や偽アカウントには、どのような対策をとればよいのか、解説していきたいと思います。

🔳風評被害とは
まず、風評被害とはどのようなことなのか、簡単に確認しておきます。
広辞苑によれば「風評(世間の評判)によって、売上減などの被害 を受けること」とのことですが、昨今ではもっと幅広く、「事実と異なる風評を受けた人々が侵害された名誉や権利等を侵害されたことで発生する被害」を指すようになっています。
真実は不明ながら、タレントの松本人志さんが「根拠のない記事によって名誉等を傷つけられた」と週刊文春を訴えているのも松本さん側からすれば風評被害を受けたということになるのでしょう。企業、あるいは一般の個人の方でも、インターネットに載ったメディアによって、風評が拡散され、多大なる被害を被る事例も多数出ています。
SNS等のインターネットメディアは拡散効果が高いので、PR活動にはたいへん有効ですが、同様にネガティブな情報も瞬時に広めてしまいます。
企業の商品やサービスに対するクレームや悪評を、SNSによっては匿名で流すことも簡単にできます。そういった風評に興味を抱いたり共感した人々が、別のSNS等で話題にするようになれば、どんどん噂の輪は大きくなり、テレビや新聞に取り上げられることすら珍しくなくなってきています。企業が莫大な損害を被るのは想像に難くありません。
以下、インターネットによる風評被害に重点を置いて、その対策方法について解説します。

🔳風評被害に対する対策1:次善の策
・日常的に姿勢を正して事業に臨み、社会に真実を伝える努力をする
事実と異なる風評は間違いだと、あらゆる人に理解されるような、企業情報を発信し続けることが何よりも大事です。
信じられないような風評が流されても「いや、あの会社に限ってあり得ない!」と思ってもらえるような企業の姿勢、商品やサービスの情報を発信し続ければよいのです。
CM投下のようなお金がかかる方法ばかりではなく、それこそ日常の立ち居振る舞いから、企業ページ<br />
等できめ細かく「良さ」「誠実さ」を紹介し続ければよいでしょう。
「どのような会社なのかわからない」というのが一番問題で、社風や商品・サービス情報は可能な限り公開していくべきです。

・社内で風評被害に対するガイドラインを策定し、全社的に共有する
風評被害は、「気配」を感じた段階で迅速に対処することが大切です。
トラブルが起きそうな気配を感じたら、どのような方法で誰に報告するのか、報告されたらどう動くのかなどを文書化しておきます。
風評被害の恐ろしさについて、知識も全社的に共有します。
企業アカウントがある場合は、定期的にモニターし、コメント等への対応をするようにします。
風評被害の気配は、どこに転がっているかわかりません。こうしたガイドラインは全社で共有し、常に目配りしておく必要があります。
特に風評被害の素になるような情報は、社内から出ることも少なくありません。
ガイドラインを共有すること、風評被害の恐ろしさを全社員に知ってもらうことは重要です。

・広報担当部署は常に風評被害に敏感であるように心がける
当たり前の話ですが、新聞やニュースサイトの記事で関連記事を見たら部内で共有、自社に関連性が高い情報に関しては全社で共有するなど、風評被害に対して神経を尖らせても無駄ではない時代だと自覚しましょう。
責任者は、時間と費用が許せばセミナーを受講したり、事件が発生したら相談できそうな専門家(弁護士やリスクマネジメントのエキスパート等)を事前に調べておくのもいいと思います。

🔳風評被害に対する対策2:発生後の対策
風評による被害が起きてしまった場合の対策について解説します。
まず、社内で風評被害の状況を把握し、分析します。

発信源はどこの誰なのか
どのような風評なのか
それによって被る被害はどのようなことか

主にこの3つについて、明確にします。社内にも、簡潔に状況を説明します。そして、「企業としてのアクションが決まったら発表するから、それまでは冷静に対応してほしい」旨伝えます。

・風評の発信源が主にSNSである場合
当該のSNSの責任者に相談し、発信源となっている書き込みの削除を依頼します。
SNSで風評被害が発生した場合は、発信源の文言を削除しても拡散により手遅れとなっている場合が多いのですが、悪意ある文章に対して何らかの抗議をしないと、どんどんエスカレートする可能性があります。
ただ、SNSの方針等により、申請しても必ず削除されるとは限りません。

・専門家に相談する警察に相談するのも一興ですが、その前にサポート団体や専門家に相談し、どのような対処法があるのか知る、今後の対策を検討することが先決です。
弁護士等の法律の専門家はもちろん、警視庁や総務省の相談窓口なども参照してみましょう。

サイバー事案に関する相談窓口|警察庁Webサイト

内閣府大臣官房政府広報室あなたは大丈夫?SNSでの誹謗中傷 加害者にならないための心がけと被害に遭ったときの対処法とは? | 政府広報オンライン

・訴訟
収拾がつかないほど状況が悪化してしまった場合は、「訴訟」という手段も検討しなくてはならないでしょう。
そのためには訴訟相手、どういった内容で訴訟するのか(名誉棄損、威力業務妨害、権利侵害等)が少なくとも明確である必要があります。
このほか、昨今連日のようにメディアで報道されている「偽アカウント」「なりすまし」による詐欺行為も企業にとっては大きな脅威です。
これは、あることないことを言いふらす風評被害の問題よりも、アカウントの乗っ取りですから、より大きな被害となりうる可能性があります。
まず、企業サーバーのセキュリティを確認する必要があります。
万が一発生してしまった場合は、可能な限り関係者に状況を伝え、被害が拡大しないように誠意のある姿勢を見せることが大切です。

いずれにしても、風評や偽アカウントによる被害の防御は、日常から顧客や取引先と信頼関係を築いておくことが第一です。こうした事件は毎日のようにメディアを賑わしています。決して他人ごととはせず、社内で対策法、現状に問題がないかなど話し合っていただきたいと思います。

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