全国紙を凌駕した8月9日の長崎新聞 2020/08/11
8月9日は、長崎へ原爆が投下された、私たち日本人にとって忘れてはならない日。
この日にご当地長崎県の新聞が、「今年の平和式典は家で行われます」というメッセージとともに、式典会場の石畳を原寸大で朝刊の最終面に印刷して出稿しました。
紙面に印刷された石畳は、平和式典で黙とうする際に下を向くと目に入る光景だそうです。
今年の夏は、政府はGOTOキャンペーンを絶賛開催中ながら、各地の首長さんの多くは「特別なお盆です。不要不急の外出は控えて!」とステイホームを呼びかけます。
8月9日に毎年長崎の平和公園で開催される式典すらも、参加人数を大幅に制限して粛々と行われたわけですが、長崎新聞は「会場へ行きたくても、足を運ぶことができないあなたのために。新聞紙一枚ぶんの式典会場を用意しました」と、コロナ禍に負けずに平和への祈りを捧げましょうと呼びかけました。
現地に行けなくてもせめて紙面の石畳で祈ってくださいと、長崎県民の声を見事に表現しました。
長崎新聞が長崎県の代表メディアたることを、実に品よく粋に訴求しています。
核廃絶のみならず、コロナに奪われた平和を取り戻そうと叫んでくれているかのごとく。
8月9日の平和式典関連のニュースは全国紙やテレビでも必ず報道されますが、今年は本家本元の長崎新聞が見事に平和の大切さを全国にアプローチました。
これこそCSRの見本だと言えましょう。
なお、当日掲載された石畳は長崎新聞のサイトからダウンロードすることもできます。