【前編】スポーツは「ド根性で強くなる」から「科学で強くなる」時代へ。
アスリートパワーを最先端機器と解析技術で支援・強化する日本初の施設が誕生 2022/09/28
ここ数年オリンピックやサッカーに押され、いまひとつ盛り上がりに欠けていた野球が、今年は連日各所から熱い視線を集めています。
甲子園では深紅の旗がついに白河の関を越え、プロ野球ではヤクルトが快進撃でリーグ二連覇、海の向こうではMLBの記録を数々塗り替えた大谷選手は常に注目の的と、今年の野球界の盛り上がりぶりは留まるところを知らないかのようです。
この現象には、実は「予兆」がありました。
野球をはじめとするスポーツの世界全体が、漫画『巨人の星』に代表されるような“ド根性物語で強い選手を生む”から“「科学」で楽しく長く強くなる“へシフトし始めていたのです。
■科学で球速を5km/h向上させるトレーニング施設「ドライブライン」
根性から科学へと口で言うのは簡単ですが、長年「根性こそが強い選手を生む」と頑なだった人々のやり方を変えるのは、一筋縄ではいきません。
しかし、大谷選手の二刀流が「リアル」となったのは紛れもなく科学の力でパワー配分を計算してのことですし、佐々木朗希選手の完全試合も医学に裏付けられた「無理のない間隔での登板」によるところが大きいでしょう。こうした科学の力が積み上げた実績から、高校野球では投球数の制限が設定され、従来黒のみと規定されていたスパイクの色も何色でもよくなりました(黒は気温を吸収しやすいので、白などの薄い色に比べて足の温度を上げやすいという根拠から)。
そして、高校野球の投球数制限が設定された2020年頃、“アスリートのパフォーマンスを向上させるには「科学・医学」が必要”論を明確に裏付けたのが「ドライブライン」です。アメリカで10年前に設立されたトレーニング施設で、動作解析、データ分析、最新の機器を駆使して選手の発掘、育成、再生することでは他の追従を許さない存在となっています。
毎年プロ・アマ問わず、約500人のアスリート(野球がメイン)が訪れ、投球フォームやスゥイングをモーションキャプチャでデータ化し、それらを解析して処方される改善策によって数多くの成果を上げています。1年で球速が3km/h前後上昇した選手もいるそうです。MLBではここでのトレーニングを始めてからタイトルを獲得するまで腕を上げた選手が、数々誕生しています。
ドライブラインは先端の機器だけでなく、それらで得られたデータを利用して選手個々に応じたトレーニング指導ができるアナリストも多数抱え、同施設のトレーナーからプロの球団等の監督やコーチに引き抜かれた例も少なくありません。
パフォーマンス向上のほか、怪我の予防指導、怪我後の対処策の提供にも優れ、トミー・ジョン手術後の大谷選手のバックアップにも一役買っています。
日本では福岡ソフトバンクホークスがドライブラインのスタッフを機材ともども秋季キャンプに招へいし(2019年)、話題になりました。それ以来、日本のプロ野球選手も自費でドライブラインへトレーニングに赴くという話も聞くようになりました。
さて、この「スポーツを変革する科学」を存分に活用したトレーニング施設が、いよいよ日本にも登場しました!
■ドライブライン並みのトレーニングを誰もが享受できる、ネクストベース
2022年8月27日、千葉県市川市にまさに日本版ドライブラインと言うべきトレーニング施設・ネクストベース・アスリートラボが誕生しました。
ネクストベース・アスリートラボ(略称NAL)
しかも参考にはしたものの、決してドライブラインを真似したわけではありません。
そもそも運営にあたるネクストベース社は「すべてのアスリートに、サイエンスを。」と、まさにドライブラインと相通ずるスローガンのもと、創立されました。
役員には元々大手キャリア会社で新規IT事業を手掛けてきた人、アスリートのブランディングに強い大手PR会社で各種イベントを企画してきた人、バイオメカニクスの権威である大学教授、野球選手のデータアナリスト等、いずれも各分野でメディアにコメントを求められる立場にある専門家を揃えています。
アスリートのトレーニングを最適化するためには機材はお金で買ってくれば済みますが、人材はそうはいきません。
こうした人材と先端の機材を利用して、子どもから大人まで、プロ・アマ問わず体力測定、動作解析、怪我からの復帰プログラム作成といったサービスを受けることができます。
野球に関するエキスパートが多い施設ですが、バスケットボールやサッカーなどの競技にも対応可能です。
栄養学等も学べ、アスリート本人のみならずサポーターの方々にも有益なプログラムを用意しています。
このように、スポーツ界は「ド根性」から「科学」へとトレーニングの軸足を移しつつあります。その結果、昔は漫画の世界でしかなかったスーパーヒーローがどんどん誕生しています。では、具体的にどのような機材でどのような手法で科学のトレーニングを行っているのでしょうか?
次回、そこに踏み込んでいきたいと思います。
ところで、今回お届けするブログはいつもより長めなうえ、前編後編の二本立てとなってしまいました。
実は、弊社には複数の元高校球児がおり、スポーツ関連のPRにはいつも気合が入りすぎてしまいます。科学がスポーツ界に影響を与え、大きく変革していくことは間違いなく、その現場に触れるごとに元高校球児としてはワクワクが止まりません。種目の別なく、常にスポーツに寄り添ったPRができるように精進し続けますので、何かご相談等あればぜひご連絡ください。