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新型コロナ流行で、配信が多用される発表会。取材の現場で聞いた声 2020/04/09

新型コロナの流行で、さまざまなイベントが中止・延期になっています。
メディアの取材にもさまざまな影響を及ぼしてきました。
プロ野球の選手や監督のロッカールーム取材が禁止となりました。
サッカーのJ1浦和では、ビデオ会議システムで選手が取材に応じています。
企業の事業計画に大きく関わる新製品や方針発表会等の運用も、ネット配信で開催されるケースが目立ってきました。
配信型発表会は、その概要や開催日時がメール等でメディア関係者に届き、事前に参加表明した記者に閲覧用URLが通知される流れが一般的です。式次第も従来の発表会と大きな違いはないようです。配信による発表会は、事前に指定のアプリやブラウザをPCにインストールしておけば、記事を書くために発表の模様を「自由に撮影」したり、チャット機能で質問をすることもできます。
たいていは資料や発表会の模様を撮影した画像は主催者から提供されます。
こうした配信による発表会は、移動の手間なく次から次へと複数の発表会に参加できる等、記者から「慣れてくれば便利」という声も少なくありません。
ただし、登壇者の表情から湧き出るニュアンスまでつかめない、配信画面の撮影は角度が一定で独自性を出せない、新製品発表会となると実際に触る、使う、味わうといった五感による印象を報道に反映しづらいといった弱点も併せ持っているようです。
取材時の「リアリティが激減する」と嘆く記者もいます。対面では挙手によって指名されて行われる質疑応答と違い、チャットやメールで質疑応答する場合、主催者側が答えやすい質問を選べますし、返事は誰でも返せるので社長に質問したはずが実際の返事は広報担当からというケースもあるでしょう。質問に対して即答してくれるのか、ひと呼吸置いて返事が来るのかで汲み取れる「行間」的なものも伝わりません。
メディア関係者が報道において大切にしているのは、速報性を除けば独自性です。配信型発表会は、独自性を出しづらく、ステレオタイプの報道だらけになる危険性もはらみます。配信発表会ではタレントのゲスト出演も減少の傾向にあり、報道用の「絵」にも華がなくなります。そんなことが続けば、話題づくりは難しくなります。
配信による発表会が普遍化することは、新コロナ現象で起きた「怪我の功名」となるかもしれません。しかし、それですべてよしというわけではありません。集客が容易ではない環境下でいかに話題づくりをしていくか、今、私たちは真剣に考えています。

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