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コロナ禍時代だからこそ、PRも「深刻にならずに、真剣に」 2020/06/05

トヨタ自動車の最近のCMに登場する「深刻にならずに、真剣に」は、まさにコロナ禍の戦火が燃え上がろうとしていた2020年3月に開催された日本自動車工業会で豊田章男社長が実際にスピーチした一節です。なんだか励まされるフレーズです。
世界中が出口のない災厄に惑い続ける最中(さなか)に、くよくよしないで苦境を乗り越えていきましょうと呼びかけました。
さらに、「先が見えない」と多くの企業が決算発表時に次年度収益見通しを出せない中で、トヨタ自動車は堂々とリアリティのある数字を掲げています。もちろん、今期に比べると売上額は大幅にショートすると見込んだうえでの数字で、これを受けて一部の評論家は「来季はトヨタも大幅赤字」と叩きました。しかし、豊田社長の公式発表は、「赤字の予定はなし」。
大半の企業トップの多くは「コロナショックはリーマンショックの比ではない!」と断言し、「来期見通しなど立てられるわけがない」と頭を抱えるばかりですが、豊田社長は次年度収益見通しを数字で示したことに関して、このように答えています。
「トヨタ自動車は自動車生産工場だけではなく、世界中の販売店、部品やサプライなどの仕入れ先までほんとうに数多くの人に支えられて成り立っています。決算発表会はそういったすべての人に、1年を報告する日です。そしてまた1年頑張っていただくためには、基準となる数字を示さなくてはいけないと思って、一生懸命試算いたしました」。
さらに、「トヨタ自動車は幸せを量産する会社です」と決算発表会を締めくくっています。
トヨタ自動車の決算発表に関しては、様々な角度から様々な見方ができると思います。ただ、それに関してリアリティのある数字付きで「コロナ禍後も赤字にはしない」と言い切ることが、「赤字にしない可能性」を高めているのではないでしょうか。
誇大表示は広報がやってはならないことですが、「深刻にならずに真剣に」と状況を見据えて的確な言葉で士気を高め、それなりに裏付けのある数字を用意して明るい未来を提示するスピーチは、PR担当者にもたいへん勉強になります。
深刻にならずに真剣に、コロナ禍時代の広報を推進していきましょう。

<トヨタ自動車決算発表>
https://toyotatimes.jp/insidetoyota/074.html
https://toyotatimes.jp/insidetoyota/075.htm
https://toyotatimes.jp/chief_editor/047.html

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