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【後編】スポーツは「ド根性で強くなる」から「科学で強くなる」時代へ。
アスリートパワーを最先端機器と解析技術で支援・強化する日本初の施設が誕生 2022/10/02

もっかスポーツ新聞の一面は大谷選手が二年連続でMVP受賞となるか、ヤクルトの村上選手がホームラン記録を達成するかどうかで連日もちきりです。こんなに野球の話題が沸騰するのはいつ以来でしょうか?
その裏には、根性物語から科学の力へと移行を遂げつつある、トレーニング法の大変革があったのです。前回に引き続き、科学が変えるスポーツ業界について踏み込んでいきます。

前編記事はこちら

■大谷選手と同等の最先端の環境で、誰もが科学を駆使したトレーニングができる!

前編では、投球数制限をはじめ高校野球のルールが数々変更されたことや大谷選手や佐々木(朗希)選手、さらにヤクルトの村上選手といったひと昔前なら漫画の世界でしかあり得ないレベルの活躍をするプレイヤーが続出する背景には、トレーニングに「科学の力」が導入されたところが大きいと紹介しました。

科学を取り入れたトレーニングに注目が集まるようになったのは、アメリカで10年前に創設されたドライブラインというトレーニング施設が、数々の成功を収めたことに端を発します。ドライブラインではアスリートの動作データを解析して科学的なトレーニングを個別に処方します。投球速度が爆発的に速くなったり、打撃時のフォームが改善されて成績を伸ばした選手が続出し、今や世界中のアスリートが訪れるようになり、日本のプロ選手も自費で訪問するほどのブームになっているのです。日本にもドライブラインのような施設はあるにはありますが、先の東京五輪の選手専用トレーニングセンターの一部として用意されたもので一般には公開されていません。
が、この8月27日、ようやく民間の日本版ドライブラインとも言うべく、ネクストベース・アスリートラボが誕生し、誰もが大谷選手らと同等の先端のトレーニング環境を手にできるようになったのです。

ネクストベースは元国立スポーツ科学センター研究員等も歴任したスポーツ科学者であるバイオメカニクスの権威や、トップアスリートのブランディングを手掛けてきたプランナー、野球選手のデータアナリスト等の人材を擁し、設備に関しては、ドライブラインに装備されている計測・分析用の機器類はほぼ揃えています。施設の構築時、先のバイオメカニクスの権威であり、元国立スポーツ科学センターの研究員等も務めてきた神事努取締役を中心に慎重に設備を吟味し、高額でも意義があれば精度の高い機材を揃えたとのことです。
中にはドライブラインの保有機材よりも高性能なものもあります。
たとえば、アスリートのパフォーマンスを計測する基本的な手法であるモーションキャプチャによる動作解析に関しては、ネクストベースは世界最高性能と評されるVICON社製のシステムを導入し、1,000Hzもの高速撮影により高精度で正確性の高い計測を実現します。ドライブラインのシステムは同社のホームページ(https://www.drivelinebaseball.com/research-lab/)によれば数百Hzとのことですから、ネクストベースの精度の高さがうかがい知れます。
このほか、VR(バーチャル・リアリティ)を利用してヒッティング能力を養うといったユニークなトレーニングも行われています。ゴーグルを装着してバットをスイングし、バーチャル空間で仮想の投手が投げるボールへどう対処すべきかの判断力、選球眼やボールの軌道の予測能力を鍛えることができます。

ネクストベースでは、このようにあの手この手で、小柄な日本人でも科学的な武装によるトレーニングによってMLB選手並みに強くなることができる可能性が満載された施設なのです。ここで、誰もが大谷選手や佐々木選手になれるかもしれないのです。

以下、ネクストベースに設置された機材の一部をご紹介しておきます。

【光学式モーションキャプチャシステム】
世界最高性能と評されるVICON社製のモーションキャプチャシステム。専用カメラ14台で最大1,000Hzの高精度な計測が可能。独自開発プログラムで身体やボール、バットの運動を評価し、スポーツ科学者が選手個々の状態に合わせたフィードバックを行う。

【フォースプレート】
動作中に時々刻々と変化する床反力(地面反力)を計測するセンサー。光学式モーションキャプチャと併用し、下肢の関節トルク(関節を回転させる力)や体幹へのエネルギーフローを評価する。たとえば、重心移動などの身体運動能力を総合的に評価し、向上させる。

【ハイスピードカメラ】
フルハイビジョンで、秒速2,000コマの撮影が可能な研究用のハイスピードカメラ。投球時のボールリリースや、打撃におけるボールとバットの衝突といった、高速な動きを可視化する。スポーツデータのアナリストが、選手が練習中の映像を見ながら即時にフィードバックを行い、測定→評価→改善のサイクルを効率良く回し、動作の改善につなげる。

【超音波診断装置】
超音波を利用することで、安全に、被験者に痛み等を感じさせずに筋肉や靭帯ほかの身体内部の状態を観察できる検査装置。定期的に肘の内部の状況を診断し、適切に予防することもできる。肘の内側側副靭帯断裂の診療方法として有名なトミー・ジョン手術を極力回避する手立てにもなる。

【ラプソード(Rapsodo Pitching/ Rapsodo Hitting)】
投球後のボールをトラッキングし、計測データを解析する機器。ボールの球速や回転数・変化量、打球の速度や角度などを計測する。投球や打球のパフォーマンスを客観的に「数値化」し、選手の現状把握に役立てる。それらのデータからアナリストが選手の能力向上をサポートする。

【VBT機器・ウェイティッドボール】
「VBT」とは、1レップごとの挙上速度をリアルタイムでモニタリングし、速度変化に基づいてトレーニングの強度を調整する最先端のトレーニング方法のこと。トレーニング速度を計測する機器の導入により、従来よりも効果的なトレーニングをサポートする。また、ダルビッシュ選手で話題になった、重さの異なる「ウェイティッドボール」を利用して球速向上やコントロールの改良も指導する。

【体成分分析装置(InBody)】
世界的に利用され、指標として使われているの体成分分析装置。生体電気インピーダンス分析法(BIA)によって、人体に微弱な電流を流した際に発生するインピーダンスから、人体を構成する筋肉量や脂肪量などの成分を詳細に分析する。使用時に人体への痛みや不快感もない。約15秒で測定し、詳細な分析をサポートする。

上記機材の見学等も状況次第で可能です。

ネクストベース・アスリートラボ(略称NAL)

■変わるスポーツの世界、根性論から科学へ。社会的影響力も増強

このように、スポーツの世界はじわりじわりと変革の兆しを見せています。目に見える形で現れたのが、大谷選手の二刀流であり、夏の甲子園を征した仙台育英のエース4本立てのチーム作りです。
しかし、これらは氷山の一角で、文化の一旦をも担うスポーツ業界のあり方は今後、社会の基本的なものの考え方の基準にまで影響を及ぼすかもしれません。

“たられば”の話で言えば、ドライブラインより早くネクストベースがトレーニング施設を開設していた可能性もなくはないのです。なにしろ、ドライブラインの科学を取り入れたトレーニングはネクストベースの神事取締役が掲げるスポーツ科学論に通ずる内容だからです。しかし、佐々木朗希選手が高校時代エースでありながら最終戦で登板しなかったことに批判が集まったり大谷選手の二刀流が理解されなかった当時の日本では、時期尚早だったことでしょう。「今から」でちょうどよく、いよいよ大きな転機をスポーツ界にもたらそうとしているのかもしれません。
アスリートのあらゆる動作が数値化されることは、彼らのトレーニングの最適化だけではなく、スポーツ解説の分野にも影響を及ぼし、観戦のあり方をも変革しそうです。

事実、ドライブラインやネクストベース以外の場でも科学はスポーツ界を変革しつつあります。たとえば、プロ野球の各球団はホームグラウンドに打球のトラッキングや球質を映像解析するシステムを装備するようになっています。収集したデータは、もちろん選手の育成に役立てられています。
最近破竹の快進撃を続けるヤクルトスワローズはホークアイというプレイ分析システムをいち早く導入し、このマシンが昨年の日本シリーズ奪取に一役買ったとさえ言われています。ホークアイとはイギリス生まれのシステムで、カメラで捉えた選手のプレイの模様をさまざまな角度から収集し、データ化します。ホークアイの開発・製造を担うソニーの関連会社は、生成されたデータの分析からトレーニングの最適化や戦術指導までのサービスを一元化して提供しています。審判の補助的に利用されるケースも多く、サッカーやテニスのビッグカードで試験的に審判として導入されたこともあります。そのほか陸上やモータースポーツに及ぶまで幅広く利用されているのです。
またMLBでは、軍事用追尾レーダーの技術を応用した、野球のありとあらゆるプレイを数値化するスタットキャストも全MLBの本拠地球場に導入されています。球速、打撃後の打球速度、走塁のリード距離、守備時の送球速度など、測定可能な項目は80以上に昇ります。

ソニー ホークアイに関する説明ページ
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/technology/stories/Hawk-Eye/
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/202007/20-060/

スポーツ関連のPRのあり方も大きく変わってきそうな気配を感じます。
試合の解説にデータがフル稼働するようになり、観戦の仕方も変化していくでしょう。
MLBの公式ホームページでは昨年のシーズンオフに大谷選手の2021年の戦績に関する解説を公開していますが、ここにもスタットキャストで計測したデータがふんだんに使用されています。

今後は、大きな転換期を迎えつつあるスポーツ業界から目が離せません。
アスリートたちの様々な記録への挑戦が今から楽しみです。

【前編】スポーツは「ド根性で強くなる」から「科学で強くなる」時代へ。
アスリートパワーを最先端機器と解析技術で支援・強化する日本初の施設が誕生

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